2020.06.22

国内旅行から海外・訪日旅行へ

 運営事務局による業務委託費の問題で7月下旬の開始は遅れたが、「Go Toトラベルキャンペーン」は8月上旬の事業開始をめざして運営事務局の再公募が始まった。ターゲットは8月中旬の夏休みで、8月上旬なら「Go Toトラベル」の対象商品の販売と予約受付の開始、中旬からの旅行開始に何とか間に合わせることができそうだ
 運営事務局の選定に注目が集まるだろうが、コロナ禍で大打撃を受けている観光産業関係者の救済、疲弊している地方経済の再建し、観光を通じた地方創生に向けて、日本全体が観光振興で染まるようなキャンペーンを期待したい。
 運営事務局は、全国の約1万社の旅行会社、約5万施設の宿泊施設に事業内容の説明会を開催し、事業者登録を支援する。事業者向けマニュアルを作成、運用支援、コールセンターの設置、相談窓口、問い合わせの対応などと作業が膨大で、旅行業界、宿泊業界と連携できるところが望ましい。今回は「B to B to C」がスピーディーで、スムーズに流れることが重要で、これまでの「ふっこう割」のような早いもの勝ちではなく、誰でも恩恵を受けられるようなキャンペーンの実施を望みたい。
 6月19日からは休業要請が全面的に解除となり、都道府県内の外出から都道府県境をまたぐ国内旅行の自由化が始まる。おそらく、自家用車による日帰りのドライブが中心となるが、どれだけの人々が旅行に出掛けるかで、「Go Toトラベルキャンペーン」の先行きも見えてくるだろう。
 J.D. パワーが調査した制限解除を控えた日米の旅行意欲調査によると、日本よりも米国のほうが旅行意欲が高いという。今でも毎日平均2万人の感染者が出ている米国人のほうが、日本人よりも旅行意欲が高いというのは国民性の違いなのかと思う。
 感染症はもとより、テロ事件、戦争、自然災害などのイベントリスクが起きて国内旅行、海外旅行が激減した後の完全回復までに、日本の場合は約1年を要する。一方で、欧米は3カ月、遅くとも半年でリカバリーされる。
 日本は世界でも最もイベントリスクに慎重な国民と言っていい。毎日の感染者数にメディアが一喜一憂し、少しでも多いと国民を煽り、不安を掻き立てる。諸外国の制限解除と感染症の動向を見てほしいと思わず言いたくなるほどだ。
 感染症の動向はもちろん重要で、第2波、第3波への注意を怠ってはならないが、制限解除と感染拡大防止対策は並行して進むべきものだ。マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、手洗いの励行、テレワークの実施などによる「三密」対策を各人が行いながら、日常生活を過ごすということだ。
 6月下旬、7月は待ちに待った国内旅行に出掛けることができる。「Go Toトラベルキャンペーン」の対象にはならないが、東京から湘南、三浦半島、箱根、関東の日帰り圏に、誰彼に憚ることなく行楽に出掛けることができる。
 やっと遠出ができる。これは国内旅行だけでなく、旅行への「助走」、まずは「ホップ」の段階と言っていい。そして、8月からの「Go Toトラベルキャンペーン」が旅行への「ステップ」と位置づける。そして、8〜9月の国内旅行の盛り上がりを経て、10月以降に海外旅行・訪日旅行へ「ジャンプ」したい。
 欧州を皮切りに、各国は海外旅行受入れ再開を表明しており、新型コロナウイルスの感染動向を見ながらだが、国際便の運航再開、出入国制限の解除など、経済再建へ各国とも観光振興に乗り出す。
 「地球の歩き方」の調査では、国内旅行よりも一足飛びに海外旅行に行きたいとの要望も強いという。海外旅行は陰性検査証明書の提出、入国後14日間の隔離など課題は多いが、ぜひとも世界共通のフォーマットを実現を望みたい。
 新型コロナウイルスの感染防止対策でも、各国それれぞれの事情があり、統一行動は難しい。しかし、海外渡航の制限解除のガイドライン、解除時期などは世界各国と協調して行動したい。国内「Go Toトラベル」キャンペーンを経て、インとアウトの世界的な「海外旅行キャンペーン」の展開を期待する。(石原)