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2022.06.30

ハワイ島観光局 Island of Hawaii Visitors Bureau

 

 

JAL8月コナ線就航で日本市場回復に期待
キラウエア火山見学、過去最高の状況

4月のJATA視察団のハワイ訪問を契機に、海外旅行が再開され、水際対策の規制は維持されているものの、FITを中心に海外旅行は動き出してきた。そうした中で、日本航空(JAL)は8月3日から成田−コナ線の運航再開を決定し、日本からハワイ島へ直行便で行くことが可能になる。エリソン・オニヅカ・コナ国際空港はコロナ禍の間にリニューアルされ、日本人旅行者の受入体制は整った。ロス・バーチ ハワイ島観光局長に、日本市場に対する期待を聞いた。
【取材・文章・写真:弊社編集統括 石原義郎】

 

キラウエア火山の活動と見学状況はどのようになっているか

(バーチ氏)2018年の噴火の時と違い、今は噴火というよりは活動が活発化して、これまでのキラウエア火山の歴史上、最高に見学できる状況になっている。
 ハレマウマウの火口は、以前は煙が上がっている程度だったが、マグマが火口付近まで上がってきていて、マグマを実際に見ることができる。ハワイ火山国立公園を見学するには最高の時期に来ている。過去にここまでマグマが火口に上がってきたことはなく、夜もオレンジ色に輝いている。

 

8月3日からJALが成田−コナ線を就航するが、これに対する期待は

(バーチ氏)当初の予想としては年末に戻ったらいいなと思っていたが、夏に戻るということで、ハワイ島の住民はエキサイトしているし、就航を待ち望んでいる。ホテル、サプライヤーも日本市場のカムバックは大変うれしいニュースで、準備はできている。
 ハワイ島は米国マーケットのリカバリーがオアフ島、マウイ島よりも早くて好調だった。全体のハワイ島の旅行者は、インバウンドでは日本マーケットが10%で、これを米本土からの旅行者でカバーしているが、米本土マーケットが人数的に落ち着いてきており、米国のリベンジ旅行が落ち着いてきているところに日本マーケットが戻ってくるのがベストだ。
 今回はニューノーマル後ということで、昔のトレンド、旅行者の推移が参考にならない。今後、徐々に様子を見ながら、今後のトレンドをみていくしかない。予測は難しく、新しいトレンドに変わっていくと見ている。
 ハワイ島では人材不足が発生していて、新しいマーケットが戻るに当たり、とくにホテルは10%、20%の足りない人材の確保を、旅行者の戻る需要を見ながら進めていかなくてはならない。

 

 

コナ空港リニューアル、受入体制万全
ハワイ島の多様性を旅行者に体験を

 

コナ空港の改装はどういう状況か

改装されたエリソン・オニヅカ・コナ国際空港ターミナル

 

(バーチ氏)1996年6月2日に成田−コナ線が開設された。その当時は入国審査のテ
ントを別に作っていた。ようやく建物がコロナ禍の中で、2021年9月に完成した。これにより、米本土マーケットからのフライトが増えており、実際に空港もオーバーフローしていた。新しいターミナルは日本からの直行便だけでなく、米本土からの航空便も使用されている。
 タラップを降りて空港施設に入る体験は維持した。建築的に自然を中に取り入れるようにガラス張りにして、サンセットなど以前の雰囲気を醸し出すようにしているが、建物は最新の設備で快適に過ごすことができる。

 

日本人旅行者への期待は

(バーチ氏)ハワイ島はここ数年、とくにコハラ地域でホテルのリノベーション、新しいプロダクトができていて、ホテルはブランドを変えて生まれ変わっている。改装後はスペシャルキャンペーンやプロダクトが増えてプロダクトのリフレッシュなどが提供できるようになった。 1980年代から90年代には日本市場は40〜45%を占めた時期があった。この10年にシェアは10%まで減少している。ハワイ島としては日本市場のシェアを増やして、バランスの良いビジターシェアにしたい。一つのマーケットに頼るのではなく、バランスの良いマーケットするために、日本マーケットを増やしたいと考えている。
 そのためにもサービスのレベルを上げるとともに、ハワイ島の多様性ある体験を旅行者に提供したい。他の島にはないハワイ島の魅力をアピールする。日本マーケットのホスピタリティに対する期待は感じており、ハワイ島が持つプログラムをしっかりと提供していきたい。

 

ハワイ島周遊の無料公共バスを運行
日本人旅行者戻れば現地ツアーも再開

 

島内交通の状況はどうか

(バーチ氏)公共バスがフリーで運行している。昔はヒロからコナへの南回りのバ
スしかなかったが、今はコナ空港−ヒロ空港、コナ−コハラと全部がつながり、このバスが無料になった。ツーリストももちろん無料で利用でき、バスに乗れば、フリーでハワイ島を一周できるようになった。
 また、レンタカーの数は増え、戻ってきている。借りられる確率は高く、台数も増えているが、事前予約を推奨する。ホテルにいる間は車を使わずリゾートを楽しんで、そこにいる間は、車は使わず、必要なときだけレンタカーを借りれば、ホテルの駐車場も埋まったままにならない。今は非常に良い状況で、交通量も減った。コロナ禍を契機に、そういう滞在の仕方が、ニューノーマル後の旅行で生まれた。

 

日本マーケット向けのオプショナルツアーはどうなっているか

(バーチ氏)先週も現地ハワイ島の日本のホールセラーと話したが、多くの業者が
クローズしたり、他の仕事をしたり、補助金の生活で休業している。ただ、日本マーケットが帰ってくるニュースを聞いて、再開に向けて準備している。彼らは日本人が戻らないので、米国人対象のツアーで事業を継続していた。日本マーケット向けにバーチャルツアーを実施している事業者もある。メインの会社は健在なので、日本人旅行者が戻れば、これから人材を確保して再開していくことになるだろう。

 

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