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エアバスAPAC社長、野心的生産目標はAPAC供給者が鍵に

サプライヤーシンポ日本初開催、デュアルソース等チャンス到来
エアバスが「アジア太平洋サプライヤーシンポジウム2025」を9月10日に、東京都内で開催した。エアバスが日本国内で同シンポジウムを開催したのは、今回が初めてのことだ。シンポジウム開催にあわせて来日した、エアバスのアジア太平洋地域担当社長兼最高地域責任者を務めるアナンド・スタンレー社長が本紙の取材に応じ、「エアバスはアジア太平洋地域のサプライヤーの存在無しに、野心的な生産目標を達成することはできない。日本、ベトナム、オーストラリア、韓国など、当社のサプライヤーは単なるベンダーではなく、航空の未来を描く共創パートナーだ」とコメント。「新造機需要はかつてないほど旺盛であり、成長と革新の機会は計り知れないものがある。成功の鍵は我々が如何に連携していくことができるのかということにかかっている」と話し、東京初開催となった同シンポジウムが「信頼構築、協力の強化、そして今後の課題に備えた産業エコシステムの整備を目的としている」との認識を示した。
新型コロナパンデミックの発生により、多くの熟練人材が流出してしまった世界の航空機産業。結果、サプライチェーンは大打撃を被り、アフターコロナで航空会社の新造機需要が回復しても、OEMは未だに思うように量産レートを上昇することができず苦しんでいる。
機体OEMからの納入遅れが生じていることで、航空会社は事業戦略の見直しを迫られる事態も散見され、航空会社で作る業界団体である国際航空運送協会(IATA)からは怒りにも似たメッセージが発せられるなど、早期のサプライチェーン回復に釘を刺されている。
※画像=エアバスアジア太平洋地域担当社長兼最高地域責任者のアナンド・スタンレー氏