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2019.02.15

WING

エアバス、空の女王「A380」生産を2021年に終了

エミレーツ、A380を39機キャンセルでA330neoとA350発注

 去る2007年以来、空の女王として世界に君臨してきた「A380」が、2021年でその生産に幕を閉じる。エアバスは2月14日(仏現地時間)、同社が開発した二階建ての超大型旅客機A380の生産を、2021年に終了することを発表した。
 エミレーツ航空が発注済みのA380をキャンセルすることを検討していたが、最終的にエミレーツ航空はA380の発注数を39機削減することを決定。その代わりに、40機のA330neo(A330-900)および30機のA350XWBを発注することにした。エアバスによると、エアバスは今後3年間でA380生産終了に伴い影響を受ける可能性のある従業員3000名〜3500名との間で、数週間以内に話し合いをスタートする。ただ、A320の生産数増加やエミレーツ航空からの新規ワイドボディ機受注などを受けて、大多数の従業員に対しては部署移動の機会を提供するとしている。ちなみに、今回の決定による影響の大部分は2018年の決算結果に反映されているという。なお、1月末現在のA380の累計受注残数は79機。この数字にエミレーツ航空のキャンセル分を含まれていないほか、一部のリース会社がキャンセルすることを検討しており、影響はさらに拡がる可能性がある。

 エンダースCEO、「生産維持の根拠失う」
 エミレーツ航空CEO、「悲しいながらこれが現実」

 エアバスのトム・エンダース最高経営責任者(CEO)は、「我々はこれまでA380の営業活動に尽力してきた」としながら、「エミレーツ航空の決定により、十分なA380の受注残が無くなり、生産を維持する根拠を失った。これにより2021年にA380納入を終了する」と、A380の生産を終了する決定を下したことを明かした。
 エミレーツ航空は昨年1月にA380を追加で20機発注しており、これにより当時エアバス内で議論されていた生産中止は回避。しかしながら、今年に入って再びエミレーツ航空がA380のキャンセルを検討していることが明らかになり、エミレーツ航空、エアバス、ロールス・ロイスらで様々な議論をした結果、最終的にエミレーツ航空はA380をキャンセルする道を選んだ。
 エミレーツ航空のシェイク・アハメッド・ビン・サイード・アル・マクトゥームCEOは、「数ヵ月に及ぶ議論の末、エアバス、ロールス・ロイスとの間で合意に達した」とコメント。その上で、「我々が発注を諦めざるを得なかったことは非常に残念。そしてA380プログラムが維持されないことをを悲しいと感じながら、一方でこれが現実の状況であることを認めている」と、A380生産終了に対する受け止めを表明した。
 さらにマクトゥームCEOは、「A380はエミレーツ航空にとって差別化要因。我々は人々がA380によって、より快適に空の旅を楽しむことができるのかということを示した」とし、エミレーツ航空がA380に設けた最大の差別化要因であるシャワー・スパと機内ラウンジに言及し、空の旅に新たなスタンダードを持ち込むことに成功したことを強調した。
 その上で、「A380は2030年代まで、我々のフリートの柱であり続ける。エミレーツ航空のA380による空の旅の経験は、常に最高であり続ける」と話した。

 配線問題など荒波越えた開発時代
 就航後は”空の女王”の名を欲しいままに
 エンダースCEO、「最大限のサポートを継続」
 日本のサプライヤーにも影響波及へ