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石破総理、戦没者追悼式で反省の上の教訓必要

戦後80年として考えていくべきこと示す
石破茂内閣総理大臣は8月15日に全国戦没者追悼式に出席し、式辞で大戦から80年経過して多くの人が戦争を知らない世代になったとし、その上で「戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばならない」と述べた。追悼式の式辞の中で“反省”という言葉が出てきたのは13年ぶり。2012年当時の総理だった野田佳彦氏以来。この理由について、2度と戦争を行わないために「改めて反省と教訓を胸に刻む必要がある」という趣旨だと説明した。
石破総理は、追悼式後の会見で式辞の意図について、戦争を知らない世代が大多数を占める中、世代を超えて悲痛な戦争の記憶を継承し、これからも世界の平和と繁栄に力を尽くしていくべきだと強調。その上で、いきなり教訓があるわけではなく、まず「反省がある上に教訓が出てくる」と、私見を述べた。そのため、反省と教訓は「ある意味で一体のもの」だと言え、さらに「これまでの政府の見解・考えと変わるものではない」ことを示した。
また、戦後80年のメッセージを発出することに意欲的だとされるが、現在のところメッセージの在り方が具体的に決まっていないとした。しかしながら、歴史認識はこれまでの内閣総理大臣談話を含め、歴代内閣の立場を引き継いでいくものだとした。要点は、戦争の記憶を風化させないことと、戦争を二度と行わないことであり、メッセージとしてこれまでに提起されているものや、今後も考えていかなければならないものを盛り込むことで、一定の意義があるとの考えを示した。
※写真=式典で式辞を述べる石破総理