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2025.06.13

WING

IHI、空飛ぶクルマ離発着場の建設・運営を検討

 地上での自動搬送など自律・省人化も

 IHIグループ傘下のIHI運搬機械が、立体・機械式駐車場事業で培った技術・知見を活かし、空飛ぶクルマの離発着場の研究開発を進めている。IHI運搬機械によれば、「状況次第」と前置きしつつも、「我々の狙いは、離発着場の建設から運営まで手掛けていくことだ」と説明した。同社は自動車の立体駐車場について既に一部で運営事業をスタートしており、持ち前の高い技術力と駐車場運営ノウハウを活かした空飛ぶクルマの離発着場事業を展開することを目指す方針だ。
 大阪・関西万博で多くの人々の目に触れている空飛ぶクルマ。万博終了後、いよいよ全国各地で社会実装が進んでいく。まずは過疎地や山間部、あるいは離島などで無人の貨物輸送からスタートする可能性が高いと目されているが、その先には当然、有人で観光地、そして都市部でのエアタクシーとしての社会実装が視野に入っている。その空飛ぶクルマが広く普及するための鍵となるのが、離発着場だ。全国各地にどれだけの離発着場を整備することができるのか。日本の低高度経済圏が活性化するか、その動向を大きく左右する。
 そうしたなかIHI運搬機械としては、設置場所や運用台数、離発着頻度にあわせ、3種の離発着場を検討している。数機程度の機体が運用可能かつ離発着帯と機体充電・点検ができる「バーティストップ」、商業施設や観光地など人が多く集まる場所に10機程度の機体を運用可能な「バーティポート」、そして空港・港湾・地上交通ターミナルなど、大型モビリティ施設に隣接する「バーティハブ」の構想を深堀りしているところ。

※画像=バーティポート。空飛ぶクルマの離発着場の検討を進めるIHI運搬機械(提供:IHI運搬機械)