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2025.06.06

WING

JAL、空飛ぶクルマ普及の鍵は「自律・無人運航」

 日本航空(JAL)グループは6月5日、国内最大規模の専門展示会「ジャパンドローン2025」にて、「JALグループ×次世代エアモビリティ ~新しい空の移動と輸送への挑戦~」と題した講演を行った。主題となった電動垂直離着陸機「eVTOL」(空飛ぶクルマ)は、ヘリコプターなどと異なり垂直に離発着可能で、比較的場所を選ばず運航できる。電動で環境負荷も低く、無人・自動化すればコストも抑えられることから注目が高まっており、大阪万博でも話題だ。講演ではJAL、JALエンジニアリング、空飛ぶクルマの運航を目的とするSoracle(ソラクル)の3社が登壇し、空飛ぶクルマに関する足元の取り組みや今後の展望について語った。
 冒頭、JALエアモビリティ創造部の松﨑史典アシスタントマネージャーが、空飛ぶクルマを取り巻く日本の状況について解説した。少子高齢化や人口減少にともなう地方交通ネットワークの縮小、都市部での人口集中による慢性的な地上渋滞、クリーンエネルギーへの関心の高まりなどをうけ、近年では「空飛ぶクルマの認知が広がりつつある」。社会実装に向けた官民協議会や各種補助事業が立ち上がるなど、国や政府も動き始めており、「各事業者による事業化に向けた機運は高まっている」。一方で、世界的に見ても普及していないモビリティに対する「社会受容性については、さらに向上させていく必要がある」と述べた。