ウイングトラベル
★1-3月国際観光客到着数5%増、コロナ前3%増

UNツーリズム、今後旅行への信頼低下を懸念
国連世界観光機関(UNツーリズム)は5月27日、2025年第1四半期(1-3月)の国際観光客到着数(宿泊を伴う訪問者)が前年同期比5%増加し、3億人を超えたと発表した。これは、前年同期より約1400万人多く、パンデミック前の2019年を3%上回る水準となった。
この堅調な成果は、観光業界が地政学的緊張や貿易摩擦、旅行・観光サービスの高インフレなどの様々な課題に直面している中で達成された。UNツーリズムのズラブ・ポロリカシヴィリ事務局長は、「世界各地域で観光業は数百万人の雇用とあらゆる規模の企業を支える主要なサービス部門として際立っている。国際観光客到着数の継続的な好調と、多くの目的地でのより強い観光支出は、数多くの課題に直面する中でのこの部門の回復力を浮き彫りにし、世界各地の経済と労働者にとって朗報」と述べた。
地域別では、欧州が第1四半期に1億2500万人の国際観光客を迎え、2024年第1四半期から2%増加し、パンデミック前の同期間を5%上回った。南地中海地域では到着数が2%増加し、一部の目的地でオフシーズン旅行への需要拡大を反映した。中欧・東欧は、特にバルト海諸国の目的地を中心に8%の回復を見せたが、この地域の訪問者数は依然として2019年の水準を下回っている。
アフリカは2025年第1四半期に前年同期比9%の到着数増加を記録し、パンデミック前の旅行者数を16%上回った。米州では国際観光客到着数が2%増加し、南半球の夏季シーズン中に南米の複数の目的地が13%増という好調だった。
中東は前年同期比1%増と微増。これは近年の異例の好調な実績に続くもので、第1四半期の到着数はパンデミック前の水準を44%上回った。
アジア太平洋地域の到着数は12%増加し、パンデミック前の数値の92%に達した。北東アジアは世界の地域の中で最も好調な実績を示し、2025年第1四半期に23%の回復を見せ、2019年水準の91%に戻った。
※写真=1-3月の国際インバウンド客数は引き続き好調もリスク拡大で旅行の信頼感低下を懸念(出典:UNツーリズム)