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ボーイング、空自KC-46の5・6号機は年内納入へ

亀裂検出の米空軍21機は改修・運用再開、新造機納入も再開
ボーイング防衛・宇宙・安全保障部門のKC-46プログラムビジネス開発ショーン・マーティン氏が取材に応じ、航空自衛隊向けのKC-46Aの5号機および6号機は順調に引き渡し準備作業が進めているとのことで、「予定通り、今年終わりまでに引き渡しすることを見込んでいる」ことを明らかにした。
米空軍で運用中の機体に亀裂が見つかった問題については、「安全管理シスステム(SMS)を立ち上げて米空軍と点検したところ、飛行安全に影響を及ぼすものではないことを確認した」とのこと。そのため、「先週(5月11日の週)から米空軍に対する機体の引き渡しを再開した」ことを明かした。
なお、マーティン氏は航空自衛隊のKC-46A部隊が在している美保基地で隊員が死亡する事故に哀悼の意を表する共に、先ごろ発生したT-4の事故に触れ、「あらためて、我々の心にも安全というものを刻み込みたい」と話すなど、安全を第一として航空機を製造していくことを誓った。
亀裂は製造上の問題、設計変更はせず
米空軍の機体で亀裂が見つかった問題についてマーティン氏は「米空軍からアウトボード・トレーリング・フィックスド・エッジ(固定後縁)に亀裂が発見されたという通報を受けた」と説明。これを受けて、「当社はSMSを立ち上げ、米空軍と共に調査を開始した」ことを明かした。このSMSの目的は「発生した事象の性質判定を行い、飛行安全に影響を及ぼす事象か否か特定すること。調査の結果、仮に飛行安全に影響するとの判定が下されれば、飛行停止措置が講じられることになる」とした。
※写真=KC-46プログラムビジネス開発ショーン・マーティン氏