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世界の空港、旅客数回復も収益回復遅れ鮮明に

財務体質改善急務、将来需要対応に巨額投資も不可欠
世界の空港の業界団体であるACIワールドは、旅客需要の回復が進んだ一方、空港の収益の回復が遅れていることを指摘。財務状態は依然として大きな課題に直面していることに言及した。その上で、旅客需要の長期的な増加に対応するためには、「2040年までに空港インフラに総額2.4兆米ドルの設備投資が必要になると推定されている」ことを強調。政策的な支援が必要であることを訴えた。
ACIワールドがまとめた2023年の空港業界の財務データによれば、全世界1060カ所以上の空港の総収益は1460億ドルに達し、2022年実績に比べて21.4%増加した。旅客数は新型コロナパンデミック発生前の2019年実績を5.4%下回った程度にまで回復が進行したことが要因だ。ただ、総収益は2019年実績の1586億ドルを11.4%も下回っており、旅客数の回復と収益回復の間には大きな乖離があることが浮き彫りとなった。