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2019.01.23

WING

羽田制限エリアでバスの自動走行実験

年度内に課題抽出、20年に「国内空港のどこかで」実用化

 全日空(ANA)、ソフトバンクドライブ、愛知製鋼、先進モビリティ、NIPPO、そして日本電気(NEC)らが1月22日、羽田空港制限エリア内において、旅客やスタッフを輸送するためのバスの自動走行実証実験を、報道陣に公開した。実証実験は第2ターミナルビルとサテライトターミナル間で実施。運転席に補助者を乗せた状態で自動運転を行う、いわゆる「レベル3」の自動走行実験として行われており、GPSを使った自動走行とGPSが遮蔽される環境では磁気マーカシステムを活用した自動走行を適用した。これまで2018年2月には新整備地区において、レベル4の自動運転走行を実証済みで、今回は満を持して制限エリア内における自動走行実証に踏み切ったかたちだ。
 そもそも空港におけるバスの自動走行実験が実施されている背景には、国土交通省航空局による航空イノベーションの推進という取り組みがある。この取り組みは、訪日旅客数の増大や近隣アジア諸国間との空港間競争、さらにはセキュリティを巡る脅威、そして生産年齢人口の減少に伴う人手不足など、日本の航空輸送を取り巻く課題に対応しつつ、利用者目線で世界最高水準のサービスを実現するため、自動化、ロボット、バイオメトリクス、AI、IoT、ビッグデータなどの先端技術・システムの活用による日本の航空輸送産業におけるイノベーションを推進することを目指すもの。
 航空局は航空輸送分野のイノベーション推進に向けて、「航空イノベーション推進官民連絡会」を昨年1月に発足。官民連携などがとくに不可欠な分野として、空港動線や諸手続きの円滑化を目指すファスト・トラベルに加えて、地上支援業務の省力化、自動化を当面の取り組み分野として掲げていた。
 そうしたなかで国土交通省が公募して8つのグループを選定し、今回バスの自動走行実証実験を行った羽田空港のほか、仙台、成田、中部空港の計4空港で様々なタイプの車両の自動走行実証実験を昨年12月からスタートしていた。
 航空局によれば、「今年度実証実験を行って、年度内に自動走行の実現に向けた課題を抽出する」としており、「2020年までに国内空港のどこかで自動走行を実現したいと考えている」(航空局航空ネットワーク部空港施設企画調整官 長谷川はる香氏)ことを明らかにした。

 

自動走行適した「空港」という空間
非GPS環境やブラスト対策など特殊要因も

 

 ANA、シンプル&スマートなオペレーション実現へ
人と技術の融合加速でイノベーション推進

 

※写真=自動走行の実証実験に投入されたバス

※写真=運転席に補助者を乗せたレベル3の自動走行実証実験。運転席に座っている補助者がハンドルから手を離している

※写真=バス底面に設置したセンサーモジュール

※写真=路面に埋設した磁気マーカー

※写真=遠隔監視室からブラスト対策を行う。ブラスト停止線で停車した車両の発車、待機を指示する