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2024.02.26

WING

防衛省、自律的な血液の備蓄・輸血実施へ検討

 検討会が提言書提出、O型血液で異型輸血へ

 防衛省は2月21日、有事を踏まえて自衛隊員への輸血のあり方を議論してきた有識者検討会がまとめた提言書を受け取った。それによって今後は自衛隊でも、自律的に血液製剤を確保・備蓄する体制の構築に向けて、薬事承認を前提に血液製剤の製造を目指すほか、どの血液型にも適合する低力価O型の全血輸血を行えるようにするほか、隊員間で柔軟に輸血できるように進めていく構えだ。
 戦傷医療での輸血要領は、単純・安全・迅速であることが求められ、血液製剤の保管・管理・運用をシンプルにする必要がある。そうすることで、次々と負傷者が運ばれてくるような煩雑な状況でも不適合輸血のリスクの回避かつ迅速な輸血を行うことができるためだ。一般的な輸血要領では、必要な血液成分の同血液型製剤を輸血する成分輸血となっており、大量出血時や輸血対象者の血液型が判明しない場合には、どの血液型にも輸血可能なO型赤血球やAB型血しょうを使用する。しかしそれではリスクが大きいうえ、有効期限が短い血小板製剤の入手が困難な場合が想定される。