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2024.02.15

WING

鳥衝突23年に1463件発生、防止委員会で対策検討

 発着多い羽田最多に、引き続き情報収集重要

 

 国土交通省航空局は2月14日、22回目となる鳥衝突防止対策検討委員会を開いて、大事故を招きかねない航空機と鳥類との衝突事案について、衝突事例や各空港での防止対策など、関係者間で情報を共有するとともに、今後の発生防止の方策など検討した。
 委員会では2023年に国内で発生した鳥衝突件数が前年よりも42件増えた1463件、ニアミスの件数が103回減少した883回になったと報告があった。件数が例年並みの1500件前後にとどまったものの、各空港で進められてきた対策の効果が目に見えて表れていないことから、引き続き鳥種や状況などの情報収集が重要だとして、関係者へ積極的な情報提供を求めた。
 委員会が示したデータのうち、空港別の鳥衝突件数はおおむね発着数の多い空港が上位を占めた。2023年に最も多かったのが羽田空港の125件で、次いで那覇空港の66件、新千歳空港の64件、福岡空港の47件、伊丹空港の46件、成田空港の43件、関西空港の43件、熊本空港の36件、仙台空港の35件、佐賀空港の32件となった。
 しかし、離着陸1万回当たりで換算した鳥衝突率では様相が変わり、2022年に最も多かったのが宮古空港の12.6件で、出雲空港の11.8件、高松空港の10.6件、北九州空港の9.6件、松山空港の9.5件と続いた。これは空港で行うバードパトロールが大きく関係しており、2022年にバードパトロールを行っている21空港の平均発生件数が離着陸1万回当たり3.92件であるのに対し、パトロールを行っていない74空港の平均が8.95件と大幅に差がついており、バードパトロールの実施が明らかに効果的であることを示した。

 

※写真=23年に発生した鳥衝突は全国で1463件、発着多い羽田が最多に

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