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レオナルド、異例の1カ月およぶAW169日本ツアー開始
伊EMS大手アリダウニアの機体投入、北海道~九州まで巡る
レオナルドヘリコプターズは10月30日、イタリア大使館で記者会見を開き、10月30日からAW169のデモフライトツアーを開始したことを明らかにした。
このデモフライトツアーは日本国内を北海道から九州まで、日本国内を約1カ月、12月初旬までという異例の長期に亘って巡るもの。同社はイタリアの大手救急医療(EMS)オペレーターであるアリダウニア社とタッグを組み、アリダウニア社の機体を日本に持ち込だ。その機体は実際にイタリア国内で運用されているEMS仕様のものだ。
アリダウニア社はレオナルドのエクセレントサービスセンターでもあり、今回のデモフライトには同社のパイロット、整備士、ホイストオペレーターらが帯同。機材がイタリア登録機のままでの状態で持ち込んだこともあって、運航整備責任者であるアリダウニア社が今回のデモツアーを全面的に支援する。
レオナルドヘリコプターズのアジア太平洋地区営業統括のダニエレ・アルゼッタ氏によれば、AW169の大規模なデモツアーを企画したのは遡れば2018年~2019年頃のことだったとのこと。ただ、この時には機体調整などのタイミングが合わずに実現に至ることはなく、そのまま新型コロナパンデミックへと突入してしまった。結果、ここに至るまで機材やスタッフを日本に送り込むことが叶わず、デモツアーは実現していなかったという。
そうしたなか今回、アリダウニア社との調整のほか、日本でも朝日航洋や代理店の三井物産エアロスペースなど、関係各社・機関の支援があって、ようやく実現に漕ぎ付けたことを明かした。
現状、日本国内でAW169を運用しているのは多機関におよんでいるが、今回のツアーではドクターヘリ関係者や捜索救難関係者、警察、消防防災航空隊、海上保安庁などの関係者を中心にアピールしていきたい考え。
なお、日本国内に持ち込んだアリダウニア社の機体は、イタリアで分解後、10月初旬に認定整備工場である朝日航洋の八尾基地へと輸送。そこで再組立・地上試験を行い、去る10月27日に飛行試験を行ったばかりだ。
※写真=駐日イタリア大使公邸に飾られたAW169の模型
※この記事の概要
中小型ヘリ唯一のAPUモード
ローター回さずプリフライトチェックや空調
ゆとりのキャビン、全周囲から患者にアクセス
増える大型医療器材、ドクヘリニーズに対応 など