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2023.08.29

WING

小型機やヘリに簡易飛行記録装置搭載を!

 航空局、ガイドライン作成、技量維持向上に寄与

 国土交通省航空局は、「小型航空機用FDMガイドライン」を策定した。「FDM」(フライトデータモニタリング)とは簡易型飛行記録装置のこと。航空局は特に小型航空機(※最大離陸重量5.7トン以下の飛行機、ヘリコプターが対象)で事故などが後を絶たない現状に、FDM機器を活用して飛行中に記録した位置情報や映像等のデータを、訓練における操縦の振り返り等に活用することにより、小型航空機の操縦士の技量向上などが期待され、より安全な空の構築に寄与するとして、その機器の導入促進を目指している。
 FDMは、飛行中のデータやコックピットの状況を動画や音声などとして保存し、これを解析することにより、運航中の不安全要素 (リスク) を見つけ出し、事故が発生する前に対策を講じることができるもの。航空局が策定したガイドラインでは、最大離陸重量5.7トン以下の飛行機およびヘリコプターについて、FDM機器の搭載を「推奨する」とし、とりわけ官公庁が運用する航空機であって、救難救助等を任務とするヘリコプターに関しては、難易度の高い運航を行うとしてFDM 機器の搭載を「より強く推奨する」とした。
 このガイドラインは全体で約30ページ、6章構成。FDM機器搭載にあたって注意点と搭載例(取り付け位置や電源の取得のほか、アクションカメラやスマートフォンなどの利用例など)、FDM機器選定に係る機能要件、具体的な運用(運用手順、データ取得・管理・活用推奨事項)、FDM機器の取り付けチェックシートなどを盛り込んだ。

※ガイドラインのURL
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000095.html

※この記事の概要
◆運輸安全委もFDM搭載促進に期待
 空の安全を周りから支えるツールに
 過去10年の小型機事故、FDM搭載はわずか4機
 再発防止・未然防止に寄与するFDM
 適正な装備や情報取り扱いに留意を  など

※写真=FDMの一例(協力:運輸安全委員会)