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2023.08.08

WING

SUBARU半田工場、777X生産がついに再開

 コロナ禍で21年から停止、最新鋭53棟復活
 
 SUBARU航空宇宙カンパニーは、ボーイングの777型機最新派生機である777Xの中央翼の生産を再開した。中央翼をボックス形状に組み立てることを手掛けている愛知県の半田工場53棟が、去る8月1日から再稼働。53棟は新型コロナパンデミックの影響で、2021年から操業停止状態が続いていた。ちなみに、半田工場での777X生産再開を前に、今年5月にはSUBARU宇都宮製作所において、777Xの中央翼のサブ組みや、翼胴フェアリング、主脚格納部の部品生産が再開されている。
 新型コロナパンデミックの発生により、国際線の運航規模が大幅に縮小した。しかしながら各国政府が相次いで渡航制限など水際対策の解除・緩和に踏み切ったことで、足下では国際線ネットワークの回復が進んでいる。
 これを受けて777Xを開発・製造する機体OEMのボーイングでは、777Xについて2025年半ばには顧客による運航開始を目指し、各種試験等開発作業を進めているところ。
 そうしたなかSUBARU航空宇宙カンパニー半田工場に、777X中央翼生産のために整備された自動化設備など最新鋭のラインが稼働を再開した。今後、本格的な量産に向けて、段階的に生産ペースを引き上げていくことになりそうだ。
 型式証明取得に向けた飛行試験などが行われているほか、顧客に対する初号機引き渡しは2025年半ばとなることから、当面の間、SUBARUの生産ペースとしては低率生産となることが見込まれるものの、現行777型機が最盛期には最大月産8.3機もの生産レートを記録しており、777Xとしても同程度のキャパに対応することができるよう設計されている。

※写真=半田工場で出荷を待つ777X中央翼。8月1日から半田工場の53棟が稼働を再開

※この記事の概要
・777製造・出荷30周年、半田工場も30周年
・大崎社長、「半田の地での中央翼製造事業が、40 周年、50 周年と歴史を積み重ねていけるよう全力を尽くす」
・戸塚プレジデント、中央翼製造の難しさとは? など