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2023.02.01

WING

さらば747、最終号機がアトラスエアに納入

 20世紀の空の女王、世界を縮めた初の広胴機

 ボーイングが開発した「空の女王」(Queen of the Sky)こと、747型機。20世紀に空の大量輸送時代という新たな時代を切り拓き、それまで一部の限られた人しか享受することができなかった空の旅を、身近なものに変えていった。その「空の女王」の最後の製造機が1月31日(米ワシントン州現地時間)、顧客であるアトラスエアに納入された。747型機の運航は引き続き世界各地で行われるものの、その生産ラインの灯は消え、一つの時代が幕を閉じたことになる。
 同日、13時(現地時間、日本時間2月1日午前6時)から、エバレット工場にある747組立ライン工場において、セレモニーが挙行された。
 ボーイング民間航空機部門のスタン・ディール社長兼最高経営責任者(CEO)は、「この記念すべき日は、『世界を縮めた』飛行機を世に送り出し、初の広胴機として旅と貨物に革命をもたらしたボーイングの幾世代にもおよぶスタッフ達の努力の証しだ」と話すなど、さまざまなプログラムに従事したボーイングのスタッフを讃えた。その上で、「この最後の747-8貨物機を、747の最大手運航会社であるアトラスエアに納入することは、まさに時宜を得たもの」と話した。
 製造最終号機を受領したアトラス・エア・ワールドワイドのジョン・ディートリッヒ社長兼CEOは、「この象徴的な航空機を世界中のお客様のために運航してきた長い歴史を継続できることを光栄に思う」とコメント。「アトラスエアは30年以上前に747-200型機を改造した貨物機1機のみで発足した。以来、ボーイングの787ドリームライナーの構造部位を輸送するドリームリフターを含む747型機のほぼすべての機種を活用し、世界各地を運航している」ことに言及するなど、数十年におよぶボーイングとのパートナーシップに謝意を表明した。
 ディートリッヒCEOはセレモニーのなかで、明日(現地時間)、エバレット工場から離陸するアトラスエアの747貨物機は、その飛行経路で「747」を空に描き、新天地へと飛び去っていく計画にあることを明かした。