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2022.11.09

WING

SAF導入のコスト増、誰がどう負担する?

 利用者負担の国民理解が得られるか

 持続可能な航空燃料(SAF)の利活用促進は、持続可能な航空輸送を実現していくために不可欠ツールだ。地球温暖化の影響により、世界各地で異常気象が発生し、猛烈な台風・ハリケーン、洪水に襲われるなど、急激な気候変動によって人類の存続に黄色信号が灯っている。人類にとって、温室効果ガス排出削減は存亡をかけた喫緊の課題となっており、航空業界の脱炭素化の切り札といえるのがSAFだ。
 航空業界は率先して脱炭素化の取り組みを推進してきたが、その取り組みを深化するべく、2050年実質排出ゼロに向けてまずは国際航空運送協会(IATA)を通じて航空会社間で合意。その後、今年10月には国際民間航空機関(ICAO)総会を通じて、2050年実質排出ゼロを達するという目標を、加盟国同士でもコミットした。
 もちろん、日本としてもこうした世界の潮流に乗るべく、航空脱炭素化の取り組みを官民が一体となって深掘りする。そうしたなか国土交通省航空局は、航空脱炭素化基本方針(案)をまとめた。
 この基本方針(案)には、航空会社による運航はもとより、空港側の取り組みを含め、幅広い航空脱炭素化に向けた施策などが盛り込まれている。そのなかで最も大きな柱の一つがSAFだ。