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2022.10.27

WING

ボーイング第3四半期、純損失33億ドルに

 防衛宇宙部門のサプライチェーン混乱が影響

 ボーイングは10月26日(現地時間)、2022年第3四半期業績(7-9月)を発表した。それによると、期間中の純損失が33億800万ドルに膨れ上がったことが明らかになった。これまで様々な懸案事項に直面していた民間航空機部門の改善がやや進んだ一方、防衛宇宙・安全保障部門が困難に直面。サプライチェーンの混乱などを理由に、営業損失27億9800万ドルを計上した。
 第3四半期の売上高は対前年同期比4%増加した159億5600万ドルと増収。GAAPベースの営業損失は27億9900万ドル(前年同期:営業利益3億2900万ドル)の赤字に転落した。
 ボーイングのデービット・カルフーン社長兼最高経営責任者(CEO)は、「我々は再建に向けて重要な前進を続けている。引き続き業績に重点を置いている」と話すなど、着々と再建を進めていることを強調した。その上で、「当四半期は強力なキャッシュを生み出し、2022年のフリー・キャッシュ・フロー黒字化に向けて堅実な道を歩んでいる」ことに言及した。
 ただ一方で、「固定価格制の防衛関連開発プログラムの損失は、売上と利益に大きな影響を与えた」ことに触れ、「これらのプログラムの成熟化とリスク軽減に真摯に取り組み、顧客とその重要なミッションのために成果をあげていく」とした。
 「我々は依然として厳しい環境下にある。安定性を高め、業績を向上させ、コミットメントを確実に実現するためにさらなる努力を続けていく」と話すなど、これまで大きな打撃を受け続けてきた経営の安定化を図っていくとした。

※この記事の概要
 ・民間機部門、前年同期比40%増収も
  営業損失6億4300万ドル
 ・防衛宇宙・安全保障部門、営業損失28億ドルに転落
  固定価格制プログラムで28億ドル損失
 ・グローバルサービス、増収増益と堅調
  政府系取扱減少も民間向け等でカバー など