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2022.10.21

WING

シリウム、来年10月に19年水準に回復

回復顕著も景気後退やコスト増等のリスク要因

 英国の航空データ分析大手のシリウムは10月20日、都内で記者会見を開いた。このなかでシリウムの航空機鑑定マネージャーのハーマン・チェ氏は、多くの市場で堅調な需要の回復がみられることに触れつつ、同社の最新予測ではキャパシティ(座席供給量)は「2023年10月に月次ベースで(パンデミック発生前のキャパシティ)2019年水準に回復する」との見通しを明かした。(※年率ベースでの19年水準回復は2024年)
 チェ氏は回復シナリオを示すなかで、世界第2の航空市場である中国政府がゼロ・コロナ政策を撤廃して他国に門戸を開くことについて、「我々は2023年第3四半期(7-9月期)と予想している」とし、日本を含むアジア太平洋地域市場についても、2023年11月に新型コロナパンデミック発生前の水準に回復するとの見通しを示した。
 ただ、シリウムが描いた最新の回復シナリオでは、昨今の世界情勢を踏まえた景気後退(リセッション)の影響は考慮してないとのこと。一部では既にリセッションが始まっているとされているが、チェ氏も「今後の景気後退によって、(航空業界の)グローバルな回復はやや軟調になるかもしれない」と指摘し、リセッションが一層顕在化していけば、シリウムの回復シナリオを見直すことを示唆した。