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2022.09.21

WING

【空の日特別寄稿】賑わいを取り戻しつつある新千歳空港

新千歳空港長 荒上 功

 

 2年ぶりに行動制限の無い夏を迎えた今年の7月、新千歳空港発着の航空機を利用いただいたお客様は150万人を超え、国内線としては新型コロナウイルスの影響を受ける前の約8割まで回復してきました。ターミナルビル内では夏休み時期に入り、帰省されたご家族との再会を喜ぶ光景に私たちも安堵し、嬉しく感じたところです。運航休止となっていた国際線も7月17日には2年4ヵ月ぶりに運航が再開され、今後のさらなる回復そして便数の拡大に期待しています。

 新千歳空港では、これまでに国際線ターミナル地域再編事業として、CIQ施設の強化、国際線エプロンの拡張、南側誘導路の新設を行いました。また、空港運営者である北海道エアポートの事業として国際線旅客ビル拡張が完了し、現在国際線地区のハイドラント拡張整備が進められています。これらの事業完了により、今後の国際線の増便に対応する施設、体制が整うこととなります。
 一方、北海道に所在する空港として避けては通れない課題もあります。本年1月から2月に数度にわたって大雪に見舞われました。2月20日から22日にかけては、北海道付近は強い冬型の気圧配置となり、強い雪雲の流入が続いた千歳市の積雪は統計開始以来最大となる123センチを記録しました。空港では降り続く雪のため除雪が追いつくことができず多数の欠航便が発生、さらに鉄道等空港アクセスの途絶の影響も加わり、22日および23日はそれぞれ600名を超えるお客様が空港で一夜を明かすこととなってしまいました。このような経験から、今後は気象、空港運用や交通アクセス等の情報に係る空港関係者、空港アクセス事業者間での共有を強化し、大雪による混乱を少しでも回避できるよう対策を講じていくこととしています。
 最後となりますが、「空の日」イベントとして9月11日に「SKY & AUTUMN DREAM FESTA 2022 In 新千歳空港」が開催されました。各関係者のご協力により、ランウェイウォーク、空港見学ツアー、航空教室、フライトシミュレータ体験、折り紙ヒコーキ教室などの様々な催し物が実施され多くの皆様に「空」を身近に感じていただけるイベントとなりました。また、新千歳空港は1926(大正15)年、千歳村民手作りの小さな着陸場に複葉機が飛来したことを起源としており、4年後には100年の節目を迎えることとなります。空港開港100年を記念するイベント開催のお話もあり、これから盛り上げていきたいと思います。この記事をご覧の皆様が賑わいを取り戻しつつある新千歳空港をご利用され、北海道へお越しいただけることを心よりお待ちしています。

 

※写真1=新千歳空港の荒上功空港長

※写真2=国際線はコロナ禍以降、2年4ヵ月ぶりに再開となった