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2022.06.08

WING

第154回「日本が危ない」大統領の信念に防衛費増額で応えよ

果たして“イエス”は失言か
軍事介入はコミットメント

 

 5月下旬、東京で行われた日米首脳会談では、米大統領ジョセフ・バイデンの台湾防衛、首相岸田文雄の防衛費の「相当な増額」と、重要な発言が相次いだ。複数の政府高官が本紙に一連の発言の背景について明かした。
 台湾防衛をめぐるバイデンの発言は23日午後の日米首脳会談後の共同記者会見の最後で飛び出した。バイデンに同行するNBCテレビの女性記者が質問に立った。
 記者「ウクライナの状況に軍事的に関与したくないというのは色々な理由があって、それを決めたわけですが、もし台湾において起こった場合、軍事介入しますか」
 バイデン「イエス」(“Yes,”)
 記者「本当ですか」(“You are?”)
 バイデン「それが私たちのコミットメントだからです」(“That’s the commitment we made”)
 バイデン「情勢について説明しますと、一つの中国、ワン・チャイナという政策に合意をしました。しかしながら、だからといって、軍事力を使ってということは許すべきことではありません。この地域全体を揺るがすことになります。ウクライナで起きたようなことが起こり得るでしょう。それはより大きな負担です」
 一連のやり取りをみると、バイデンは手元に置かれたメモを見ることなく「イエス」と答えた。記者が重ねて質すと、ここでもメモを見ずに「それが私たちのコミットメント(誓約)だからです」と答えている。

 

発言後も平常心の米陣営
台湾防衛は揺るがぬ決意

 

 それにもかかわらず、記者会見後、NHKなどは「口を滑らせたのではないかと思われます」と、バイデン発言を単に「失言」として捉えた。
 会見場でこの模様を間近で見ていたある日本政府高官は「イエス、と大統領が断言した時には思わずのけぞってしまった。でも、周りにいたホワイトハウスのスタッフたちも、発言を聞いて慌てた様子もまったくなかった」と証言する。

 

5月23日の日米首脳による共同会見の様子(提供:首相官邸)

 

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