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2021.12.10

WING

饗庭野演習場120迫場外弾は装薬量誤りが原因

饗庭野では弾薬支処で装薬量計算、場外に出ない量で交付に

 陸上幕僚監部は12月9日、6月23日に饗庭野演習場(滋賀県)で発生した120mm迫撃砲弾の演習場外着弾事案について、事故調査結果を発表した。
 陸幕は事故の直接原因を、誤った装薬量で射撃したことによる人為的ミスとした上で、間接的原因として、装薬量を調整した弾薬(編合済弾薬)と未調整の弾薬(未編合弾薬)を取り違える環境が生起したこと、射撃部隊および射場勤務員の各結節における装薬点検が不十分であったとした。更に、背景的原因として、射撃部隊に潜在した過信があったと判断している。
 陸幕は再発防止策として、饗庭野演習場における人為的ミスによる場外着弾を物理的に排除するため、120mm迫撃砲RTおよび81mm迫撃砲L16に関しては、弾薬支処での弾薬交付時に演習場外に出る可能性がある装薬量を計算し、該当分の装薬をあらかじめ取り外すこととした。ちなみに、陸幕によれば120mm迫撃砲弾は装薬を11個(青装薬2、白装薬5、赤装薬4)装着しているが、今回の施策により、射程距離が最長となる射角を取ったとしても饗庭野演習場の外に出ない様に弾薬支処で装薬6個(青装薬2、白装薬4、赤装薬0)にあらかじめ減らした状態で部隊に交付すると説明した。

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