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2021.08.31

WING

第135回 日本が危ない! バイデン政権は対中国に本気か

日米豪英による中国包囲網
存在感放つ英空母群

 

 今年の夏、インド太平洋地域では米軍を中心に自衛隊や豪州軍、さらには英国軍も参加して、4カ国による大規模演習が行われている。その中でも注目されるのが英空母クイーン・エリザベスの参加だ。8月下旬には日米両国との共同訓練を沖縄沖で実施する。同時に陸上自衛隊は米グアムで米軍との共同降下訓練を実施した。日本からグアム島に直接飛行し、日米共同で降下訓練を行うのは陸自としては初めてだった。自衛隊と米軍、そして英国軍、豪州軍との連携を深めるのは軍事力増強を続ける中国に対抗するためには効果的だ。ただ、日米ともその訓練を支える足元に不安を抱えている。
 クイーン・エリザベス空母打撃群はルソン海峡を通過し、沖縄南方の太平洋に進出した。太平洋入りに合わせ空母群は公式ツイッターで「日本をはじめとするこの地域のパートナーと協力して、海上の安全と、陸上の安定と繁栄を促進できることを期待している」との声明を出した。
 クイーン・エリザベスは米国主催の大規模広域訓練2021(Large-Scale Global Excercise 2021 : LSGE2021)に参加したほか、シンガポールなどとの共同訓練を実施した。8月下旬には航空自衛隊那覇基地のF-15戦闘機と、クイーン・エリザベス搭載のステルス戦闘機F-35Bなどによる日米英3カ国の訓練が沖縄周辺の空域で行われる。
 5月に英ポーツマスを出港したクイーン・エリザベスは駆逐艦などを従え、各地で存在感を発揮している。海上自衛隊とはアフリカ東部・アデン湾で、海賊対処の訓練も行った。その行動は中国を刺激したようで、中国軍は南シナ海で実弾演習を実施したほか、8月中旬にはロシアと共同演習を行った。中国共産党機関紙人民日報系の環球時報(グローバル・タイムズ)は「(中国の)領海で挑発的な行為があれば、中国軍は強硬対応もあり得る」と牽制する軍事専門家のコメントを紹介した。

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