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2021.04.02

WING

技術実用試験が大詰めの陸自の新型ヘリUH-X

2021年度には5機を受領、部隊使用承認へ

 陸上自衛隊が保有するヘリコプターの中でも最多機材なのが多用途ヘリコプターUH-1Jだ。北は北海道から南は九州まで、各方面航空隊や師団および旅団の飛行隊に広く配備され、上級司令部の「目」や「足」となるべく航空偵察や空中機動、人員輸送などの任務に使用されている。特に、大規模地震などの自然災害発生時には昼夜を問わず直ちに空に上がり、被災状況を報告するなど常日頃から活躍している。このUH-1Jも1989(平成元)年度の調達開始から30年以上経ち、その後継として防衛省およびSUBARUが開発したのが新多用途ヘリコプターUH-X(XUH-2)で、防衛省では陸上自衛隊明野駐屯地を基盤として飛行試験を実施しているところだ。
 今回、WINGでは、技術・実用試験が大詰めとなっているUH-Xについて、陸上幕僚監部担当者(以下、担当者)に話を聞いた。なお、取材時は2021年3月上旬のため、記事掲載時には変更および公表事項が増えている可能性がある。

 

官製談合からの白紙化という紆余曲折経て選定
民間機412EPXベースとして陸自仕様に改修

 

試験ではUH-1Jの後継としての性能充足性確認
ドアガンの搭載性・射撃試験などを実施

 

01中期防に定められている
34機の調達実現に向け要求行う

 

※写真=飛行中のUH-X。多用途ヘリコプターUH-1Jの後継機として防衛省では今年3月末までを期限として陸上自衛隊明野駐屯地を基盤に飛行試験を実施している(提供:陸上幕僚監部)

※写真=PT6T-9エンジンを取り外した状態のUH-X。UH-Xは双発エンジンとなったことで、UH-1Jよりも安全性が向上するとともに、島嶼間の往復に必要な航続性能が向上している(提供:陸上幕僚監部)

※写真=2019年2月末にSUBARUが実施したUH-X試作機納入式で展示されたUH-X

※写真=訓練展示におけるUH-1Jのドアガン射撃の様子。UH-Xについても、UH-1Jの後継機として同様に搭載可能なほか、UH-1Jに搭載する装備品はほとんど搭載出来るものとみられる