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2021.04.02

WING

サーブ、3Dプリントの外装部品を装着して試験飛行

戦場での損傷修復に3Dプリント活用する1歩に

 サーブは3月30日(スウェーデン現地時間)、グリペン戦闘機に3Dプリントした外装部品を装着しての試験飛行に成功したと発表した。
 これは、戦場における損傷修理にAM技術(Additive manufacturing:付加製造、3Dプリントのこと)をどの様に活用出来るかを試験するのが目的で、試験飛行は去る3月19日にサーブの施設で行われたとのこと。試験では、PA2200(ナイロン12)という素材で3Dプリントした交換ハッチをグリペンに装着。この際、ハッチの3Dコンピューターモデルは無かったため、機体から取り外したハッチを3Dスキャンして、正確なコピーを3Dプリントしたという。飛行後にハッチを検査した結果は非常に良好であり、飛行による目に見える構造上の変化も無かったとのこと。サーブは「このアプローチの可能性は、応急修理や他の故障機からの共食いを行う必要がなくなるほか、展開時に持ち込む部品の数を削減することが出来る。これにより、修理のために失われる運用時間も削減出来る」と述べている。また同時に、3Dプリントによる修理という能力を展開するという目標の達成には、更なる試験と材料規格に関する軍や産業界などの合意が必要と注記している。

 

※写真=サーブは特に説明していないが、白いパネルが3Dプリントした部品と見られる(提供:サーブ)

※写真=グリペンに3Dプリントした外装部品を装着しての試験飛行の様子(提供:サーブ)