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2021.02.19

WING

エアバス、2020年通期は純損失1400億円

新型コロナで民間機低迷もヘリと防衛宇宙が堅調

 エアバスが2月18日(アムステルダム現地時間)に発表した2020年通期決算によると、グループ連結の純損失が11億3300万ユーロ(約1400億円)だった。2019年も13億6200万ユーロの純損失を計上していたことから、2期連続での赤字となった。連結の売上高は対前年比29%減少した499億1200万ユーロ(約6兆3700億円)となっており、このうち防衛関連の売上高は4%上昇した105億1700万ユーロ(約1兆3400億円)。なお、調整後のEBIT(利払・税引き前利益)は75%減少した17億600万ユーロ(約2100億円)だった。
 新型コロナ危機という航空業界が直面している未曾有の危機が、世界最大の航空機メーカーの一翼を担うエアバスの民間機部門を直撃した。その一方、同グループのヘリコプター(エアバス・ヘリコプターズ)および防衛宇宙部門(エアバス・ディフェンスアンド・スペース)は堅調な業績を残すことに成功した。
 エアバスのギヨム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は、「2020年の業績は航空宇宙産業を襲った最も困難な危機の渦中にあって、エアバスの回復力を示すものだ」とコメント。なかでも「ヘリコプター事業および防衛宇宙事業からの強力な支援を称えたい」として、民間航空機事業が低迷したなかで、ヘリコプターおよび防衛宇宙事業が業績を支えたことに言及した。
 ただ、新型コロナウイルスのパンデミックが続き、依然として世界の国際線ネットワークは大打撃を受けている。エアバスの旅客機事業の顧客である航空会社の財政状態は悪化し、かつ回復に相当な時間を要することは想像に難くなく、フォーリCEOも「我々の業界には多くの不確実性が残されたままだ」との認識を示すなど、警戒を緩めていない。
 エアバスは今年の顧客に対する民間機の納入機数の目標を「2020年と同程度」の水準に留まると予想。ちなみに、・・・・・・・。

 民間機事業、調整後EBITは90%減
 売上高も37%減などコロナ影響大きく

 ヘリコプターは売上高4%増、調整後のEBIT12%増
 防衛宇宙、独空軍ユーロファイター追加受注など奏功