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2018.07.19

WING

福岡空港、30年後は東アジアトップの国際空港へ

旅客数3500万人、路線数は100路線に

 

 国土交通省はこのほど、福岡空港の運営委託に関する優先交渉権者に選定した福岡エアポートHDグループについて、提案の概要および審査講評などについて発表した。提案では、東アジアトップクラスの国際空港を目指すとして、30年後には国際路線が25ヵ国、67路線とし、さらに国内路線として30都市、33路線を目指す。空港容量については、2本目滑走路の供用開始を計画する2025年にあわせて、旅客数1600万人に対応する国際線旅客ビルへ拡張し、1時間当たりの発着数45回以上への増枠に向けた環境整備を進めるとした。
 優先交渉権者選定の第2次審査で第1位の169.7点を獲得した福岡エアポートHDグループが示した福岡空港の将来像は、1.「東・東南アジアの就航国数日本一」、2.「旅客数3500万人(国際1600万人、国内1900万人)、100路線(国際67路線、国内33路線)」、3.「SKYTRAXの5スターエアポート定着」の3点だ。現在、福岡空港が有するネットワークは国際線全体では10ヵ国18路線で、そのうち東・東南アジアが8ヵ国15路線。国内路線が23都市26路線となっている。この福岡空港の強みをさらに拡大して、30年後の2048年度には、国際線25ヵ国67路線として、そのうちの東・東南アジアが14ヵ国51路線とする。国内路線も30都市33路線とする。また、5年後の2023年度には、国際線13ヵ国26路線、うち東・東南アジアが11ヵ国22路線にするとし、国内は現状維持とする。
 エアラインの誘致施策については、就航実績を元にした誘致手法を導入する。誘致の専任部署をを設立して、日本と海外拠点の連携による営業活動を実施するという。さらに料金施策として、分かりやすい料金体系を導入するとして、ターゲットとする路線の誘致と定着を図るため、長期割り引きを導入する。さらに新規路線と増便を喚起するよう新たな割引体系を導入する。まずは東南アジアに注力して誘致を図り、6年後までにはプラス8路線を目指す。2025〜2033年には空港の成長期と捉え、東・東南アジア、長距離路線を拡大してさらに25路線拡大を図る。そして2048年までを拡充期として、欧米豪印の複数都市との路線を誘致してプラス16路線。運営開始から30年後までに合計39路線拡大する計画だ。
 また関係する地方公共団体や北九州空港との連携についても言及した。福岡県・福岡市との協議の場を設置するほか、地元経済団体との連携を強化するとして、福岡空港の利用促進を図る。北九州空港については、24時間空港であることを活かして、早朝・深夜便の就航を希望するエアラインを同空港へ誘導するよう呼びかけていくという。また、貨物専用機のさらなる誘致を進めるとして、貨物ハンドリング支援を行って、北九州空港の貨物拠点化を支援する。

 

※図1=福岡エアポートHDグループが示した国際線地区イメージ(提供:航空局)