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2020.11.13

WING

日本精工、空飛ぶクルマ等向け軸受け市場開拓

軸受け試作品開発、まずは国内市場から海外も視野に

 ベアリング(軸受け)大手の日本精工が、日本を含め、世界各地で開発が急ピッチで進む空飛ぶクルマ市場参入に向けて市場調査を行なっていることが分かった。日本精巧は大型ドローンや空飛ぶクルマに使うことができるブレード制御装置を提案しており、その試作品を開発。今後、大型ドローンや空飛ぶクルマが普及する際、どのように軸受けが活用されていくのかということをアピールすることによって、新市場開拓を狙っている。
 一般的にマルチコプターなどの小型ドローンは、推力を変えることによって機体を制御している。日本精巧の担当者によれば、「大型ドローンなどの場合、ローター直径が大きくなることから、回転数をかえようとすれば、非常に大きな電力を使用する。もしくはモーターサイズを大きくしなければならない」ことに言及。日本精巧が製作した試作品では、「ブレードの向きを変える機構推力を増減することができるようにしている。ヘリコプターと同じような機構」となっているとし、大型ドローンや空飛ぶクルマなどの普及を睨んだ試作品を開発したことを明かした。
 この試作品による効果については、「現段階で定量的な評価はなされていない」としており、今後解析を進めていく方針だ。ただ、シミュレーション上では「応答性に優れていることのほか、モーターの能力が小さくて済むという試算結果を得ている」とした。

 

※写真=日本精工が開発した大型ドローンや空飛ぶクルマ用のブレード制御装置試作品。ブレードの向きを変えることによって推力を増減させることができる。これにより電力消費抑えることができるという

※写真=日本精工は空飛ぶクルマや大型ドローンなどといった新市場におけるベアリングの活用について自ら発信しながら市場ニーズを模索する