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三菱電機、ニース空港から晴天時風観測ドップラーライダー
欧州から初受注成功、欧州含む海外事業展開強化へ
三菱電機はフランス気象局からニース・コート・ダジュール国際空港向け晴天時風観測用「空港気象ドップラーライダー(DIABREZZA(ダイアブレッツァ)Aシリーズ)」を受注した。三菱電機が欧州から空港気象ドップラーライダーを受注したのは初めて。今後、欧州を含む海外での事業展開を強化し、 「空港気象ドップラーライダー」を含む気象レーダー・ライダー事業全体で 2020年度にグローバル売上高25億円を目指す。
従来、雨天時の乱気流検出用に「空港気象ドップラーレーダー」が空港に設置されていたが、近年は雨天時だけではなく晴天時における対策が求められていた。
航空機の離着陸時に乱気流による事故防止のために空港周辺の風速や風向きを測定する必要があるものの、従来の電波を用いるレーダー装置(空港気象ドップラーレーダー)では雨滴や雲のない晴天時は測定ができなかった。
そうした今回受注した「空港気象ドップラーライダー」は、単一周波数のパルスレーザーを用いて大気中の塵や微粒子の動きを捉えることで、晴天時でも風速や風向きをリアルタイムに測定できるタイプのもの。また、高出力光アンプの搭載により、20キロメートル以上の風計測を実現するとともに、ICAO推奨 要件に基づいた観測距離を十分に満たすとしている。
三菱電機は2015年に晴天時風観測用の「空港気象ドップラーライダー」の納入を開始し、現在は羽田空港、成田空港、香港空港で計5台が運用中。2018年度には、北京大興空港、アンタルヤ国際空港へ納入する計画にあるという。