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2020.08.24

ウイングトラベル

★新しい発想で危機打開、観光産業と雇用を守る

 蒲生新観光庁長官、Go Toで新時代の観光確立

 観光庁の蒲生篤実新長官は、8月21日の就任会見で、「様々な行政分野に携わってきた集大成として取り組む。観光は初めてだが、これまでの延長線上の観光行政では、直面する非常に大きな課題に対応できない。だからこそ逆に、新しい発想で取り組みたい」と就任に当たっての抱負を述べた。「まずは今の危機を乗り越えることが重要」として、コロナ収束後の需要回復を見据え、「観光を支える業界、働き手を守ることが必要」だと強調、雇用調整助成金をはじめ事業の継続を下支えする経営支援策の活用を進める考えを示した。また、「我々としてもGo Toトラベル事業で非常に多くの予算を預けて頂いており、これをしっかり成功させることが求められている」として、同事業を通じてwithコロナ時代の新たな観光スタイルを確立させていきたい考えを示した。
 蒲生長官は、航空、鉄道、海事分野などを幅広く経験し、2017年7月より海事局長、2018年7月より鉄道局長、2019年7月より総合政策局長を歴任し、2020年7月21日に観光庁長官に就任した。観光行政に直接携わるのは今回が初めてだが、2004年9月からの2年間にわたり北側一雄国土交通大臣・観光立国担当大臣(当時)の秘書官をつとめ、ビジットジャパンキャンペーン開始当初の観光行政を間近に見てきた経験もある。

 

 インバウンド蒸発、出入国のハードル高く
 Go Toトラベル事業で感染防止と観光振興両立

 コロナ禍で、日本はもとより世界の観光はかつてない危機に直面している。蒲生長官は、「いままで観光は日本の成長戦略の柱だったが、観光、インバウンドがこんな形で蒸発してしまった。これをどのような形で盛り上げていくのか」として、インバウンドに関しては出入国のハードルが下がらなければ前に進めないとして、「まだまだ時間がかかる」との見方を示した。

 

 東京発着の対象化は政府判断、状況を注視
 地域共通クーポン、9月上旬視野に店舗登録

 Go Toトラベル事業における今後の最大のターニングポイントとなるのは、東京発着の旅行がいつ対象になるかと、地域共通クーポンがいつから付くかの2点だと言える。
 蒲生長官は、「東京については、去る7月16日の分科会でも、事態が収まれば対象に加えていいと言われている」とした上で、「収まったとの判断は我々だけでできるものではなく、専門家の意見を踏まえた政府全体の方針に従う。東京の感染状況に一定程度の収まりが出た時に議論されることに関心を持っている」として、今後の検討状況を注視していく考えだ。

 

 訪日外客6000万人、消費15兆円の目標維持
 観光産業のプレゼンス向上へ規模拡大は重要
 コロナで日本人の国内旅行市場に再注目
 重点支援DMOを選定、世界に伍する存在に
 マーケットインの発想でグローバル化に対応
 ピンチをチャンスに、コロナ禍で変化を

※写真=就任会見に臨む蒲生篤実観光庁長官