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2020.07.27

WING

露軍抜き打ち演習で装甲救急車「レンズ」を初使用

KamAZタイフーン装甲車がベース、最大6名後送可能

 ロシア国防省は去る7月21日(ロシア現地時間)、7月17日から21日まで行った15万人規模の抜き打ち軍事演習において、南部軍管区第150自動車化狙撃師団の衛生大隊が最新の装甲救急車「レンズ」を初使用したと発表した。
 装甲救急車「レンズ」はカマズ(KamAZ)製の4輪装甲車「タイフーン4×4」をベースとしたもので、最大6名の負傷者を戦場から後送することが可能となっている。また「レンズ」には車両のハッチを引き抜き、負傷者を引きずり出す装置や脊髄損傷者を後送するためのシールドといった医療機器を備えているという。そして、「レンズ」の装甲はあらゆる種類の小火器に耐えることができるほか、車輪の下でTNT相当最大8キログラムの爆発しても耐え、車輪が損傷しても不整地で最大50キロメートル走行できるとしている。

 

ロシア軍、15万人規模の抜き打ち演習を実施

 

 ちなみに、ロシア軍では去る7月17日から21日までの間、南部および西部軍管区、連邦軍中央直轄の各部隊、空挺軍のほか、北方および太平洋艦隊などの海軍歩兵部隊などを対象とした抜き打ち軍事演習を実施した。参加人員は14万9755人で、戦車・火砲などの装備品は2万6820個を数えるほか、414機の航空機、106隻の艦艇および支援船舶が参加する極めて大規模な実働演習となっている。
 ロシア国防省は抜き打ち演習の実施目的について、テロリストが依然根強い脅威となっているロシア連邦南西部において、軍が安全保障能力を確保しているかを評価するためとし、戦略級指揮所演習「カフカス-2020」の準備としても計画していると述べている。

 

※写真=カマズ(KamAZ)製の4輪装甲車「タイフーン4×4」をベースとした装甲救急車「レンズ」(提供:ロシア国防省)

※写真=抜き打ち演習では、「レンズ」を使用して負傷兵を野戦病院まで後送する作業を演練した(提供:ロシア国防省)