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2020.07.14

WING

世界の座席供給量、週5000万席を突破

コロナ危機発生26週目、1996年水準に回復

 世界の航空会社における週あたりの座席供給量が、5000万席の大台をようやく突破した。新型コロナ危機が顕在化した1月20日の週から数えて、26週目にして5000万席以上の水準へと回復した。フライトステータスなどのサービスを提供している英国OAGが明らかにした。OAGのジョン・グラント氏によると、「OAGのデータを遡ると、1996年に5260万席というデータが記録されていた」とし、新型コロナ危機で崩壊した世界の空のネットワークは、ようやく24年前の座席供給量に回復してきたかたちだ。
 新型コロナウイルスは依然として爆発的な感染拡大が続き、その猛威に世界保健機関(WHO)が各国に警鐘を鳴らし続けてはいるものの、各国政府は経済の崩壊を食い止めようと、経済活動の再開へと続々と舵を切り始めた。経済活動が再開すれば、航空機利用が増加することが見込まれ、各国の航空会社は国内線を中心に運航を少しずつ再開している。
 そうしたなか「先週予定していた今週分の座席供給量と比較して、実際に供給される今週の座席供給量は約170万席減に留まった」とし、これまで航空会社は直前になって大規模な座席供給量削減を行っていたものの、その動きに歯止めがかったとした。
 この点についてグラント氏は「非常にポジティブな兆候だ」とし、「回復が続くなかにあって、航空会社が当初計画していた便数に対して、実際に運航することができるようになってきているかもしれない」との見方を示した。
 「ゆっくりと、しかし確実に、そしておそらく何人かのアナリストたちが考えていた想定よりも早く、座席供給量は回復している。ロックダウン(都市封鎖)、検疫実施、出入国制限などが緩和されはじめた6月中旬に報告された座席供給量と比較すると、34%以上の座席供給量が回復した」ことを明かした。・・・

 

座席供給量回復には「地域差」
感染拡大地域など回復に足枷も

 

英国が急回復、今週の増加率は47%に
来週には仏がトルコ抜きトップ10圏内へ

 

※グラフ=1月20日の週以降の座席供給量推移(提供:OAG)