記事検索はこちらで→
2018.06.29

ウイングトラベル

ANTA定時総会、18年度の事業計画など承認

二階会長「次世代の旅行業を見据えた活動を」

 全国旅行業協会(ANTA)は6月28日、東京都千代田区の都市センターホテルで「第54回定時総会」を開催した。総会では2017年度の事業報告と収支決算に関する報告、2018年度の事業計画と収支予算案などついて審議が行われ、原案通り承認された。
 総会冒頭で、近藤幸二副会長が公務のため総会に出席できなかった二階俊博会長のメッセージを読み上げた。メッセージでは「昨年は九州北部豪雨や草津本白根山の水蒸気爆発などの自然災害が多く発生した。そうした中でANTAでは風評被害の発生防止に向けた活動を展開した。また、高知県で行われた全国観光活性化フォーラムを開催し、国内観光振興強化に向けてさまざまな取り組みを展開してきた。また、今年1月の旅行業法改正で旅行業取扱管理者による定期研修が義務付けられ、昨年は全国10カ所で開催した。2018年度も引き続き全国各地で定期研修を行っていき、会員のニーズに応えられるようにしっかり取り組んでいく。さらに6月からは住宅宿泊事業法も施行された。会員のみなさまには情報を共有しながら適切な対応をお願いしたい」とした
 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、観光は成長戦略の柱、地方創生の原動力として大きく期待されている。地域の資源を生かした国内旅行の活性化など国内旅行振興はますます重要なものになっている。旅行業においてもこのような大きくなビジネスチャンスに対応し、事業の発展に取り組んでいく必要がある。そうした取り組みができるように協会としても引き続き積極的に取り組んでいく」
 「海外との双方向交流としては、中国、韓国、台湾、ロシアの観光関連イベントに積極的に参加してきた。近隣諸国との関係を支えているのは、政治に左右されない民間レベルの深い人的関係だ。平和産業の観光が交流の一翼を担い将来にわたり、中国や韓国、ASEAN諸国との交流がさかんになることを期待している」と述べた。
 「旅行の安全に関しては、貸切バスの安全対策強化に取り組んでいるとともに、国内・海外の企画旅行などを対象とした重大事故支援特約付き旅行災害補償制度が今年4月からスタートした。この制度をしっかり活用し、旅行者の安全確保につなげてもらうことを期待している」と強調した。 最後に「われわれは本部と支部の連携を強化し、国内・海外の観光交流強化に積極的な取り組みを進めていく。
 最後に「われわれは本部と支部の連携を強化し、国内・海外の観光交流強化に積極的な取り組みを進めていきたいと意気込みを述べた。
 また、二階会長は総会終了後の懇親会であいさつに立ち「われわれは次の時代の旅行業というのはどうあるべきかということを一人ひとりが考えながら、成果を生み出していきたいという思いで取り組んでいる。みなさまからのご支援をよろしくお願いしたい」と述べた。

 

 18年度事業、急激な環境変化の迅速対応を柱に
 福島で国内観光活性化フォーラム、地域の魅力を発信

 2018年度の事業計画としては、旅行業界を取り巻く目覚ましい環境変化に迅速に対応していくことを柱に事業を展開していく。
 旅行業務取扱管理者の定期研修については全国14都市17会場で約3200人を対象に実施する。これとともに、旅行業者と旅行サービス手配業者との公正な取引の確保など旅行業法の改正内容について会員への周知と法令遵守の徹底の指導に努める。
 国内旅行の振興については、来年2月に「第14回国内観光活性化フォーラム」を福島県郡山市で開催し、地元が誇る観光資源の魅力を全国に発信するとともに、会員活動の活性化、地元自治体との連携強化を図る。また、自然災害の被災地に対する観光復興支援活動や高知県送客キャンペーンに取り組む。
 海外旅行の振興については、日本の近隣諸国やASEAN諸国を中心に双方向の人的交流促進事業に積極的に取り組む。さらに東京オリンピック・パラリンピックなど大規模イベントの開催に国内・海外の旅行需要増大に対して会員の事業環境作りを進める。
 このほか、旅行業法の指定協会として、苦情処理業務や弁済業務における旅行者保護の充実を図るとともに、旅行取引の適正化の推進による旅行業の健全な経営の確保などに取り組む。また、会員のニーズに合った研修・セミナーの実施、コンプライアンスの確保、広報宣伝活動にも積極的に取り組む。

 

 花角英世新潟県知事が就任抱負メッセージ
 新潟県の宝を磨き上げ、観光で活性化図る

 ANTA総会後の懇親会では、県議会の開会期間中で出席できなかった花角英世新潟県知事がメッセージを寄せた。花角知事は二階自民党幹事長の選挙支援に謝辞を表した上で、「全国旅行業協会には観光庁在職中からお世話になり、新潟県知事に就任した後も引き続き協力して観光振興に努めたい」とANTAとの今後の協力関係に言及した。
 花角知事は「新潟で安全・快適な旅行環境づくりを通じた旅行者の利便性向上に向けて、ANTAと取り組みを進めていく。新潟県には美しい自然、豊かな食文化、特色ある産業など沢山の宝がある。これを磨き上げ、多くの方々が訪れることで、本県観光の活性化を図り、住んでよし、訪れてよしの新潟県をめざしていく」と新潟県の観光振興を強調した。

 

※写真=二階ANTA会長を中心に役員と出席者が今年度の活動に向けて気勢をあげた