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2020.07.06

ウイングトラベル

★緊急事態制限解除で景気の急落下げ止まり

 TDB景気動向調査、宿泊・飲食業も持ち直す

 新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言の解除で、国内旅行が「Go To キャンペーン」に向けて動き出した一方で、海外旅行、訪日旅行は「休業状態」が続き、タイ、ベトナム間のビジネス渡航、欧州からの入国制限緩和などの明るい兆しはあるものの、日本政府の慎重な対応もあり、海外・訪日旅行の先行きは見通せていない。
 そうした中で、帝国データバンクは全国景気動向調査を発表し、2020年6月の景気DIは9カ月ぶりに前月比プラス、2.4ポイント上昇の27.6となった。国内景気は経済活動が再開し、徐々に動き始めたことで、急落傾向が下げ止まった。今後は、後退傾向が一時的に下げ止まるものの、力強さに欠ける動きが続くとみている。
 業種別では、緊急事態宣言の解除により、全業界で低水準の推移が止まり、小売、サービスなど9業界で持ち直しの動きとなった。とくに、外出自粛で旅行業とともに厳しい経営環境下にある旅館・ホテル業は4月にDI値が1.5まで下落したが、5月2.9、6月4.8と持ち直した。また、休業要請を受けた飲食業もDI値が4月の4.3から5月5.5、6月は13.8と一挙に二桁台に回復した。

 入国規制緩和、海外・訪日旅行再開をプラスに
 感染拡大で経済活動制限が最大のマイナス要因

 帝国データバンクは今後の見通しについて、入国規制の緩和による訪日観光、国際交流の再開もプラス材料としているものの、一方で、新型コロナウイルスの第2波、第3波の到来で、経済活動が制限される可能性が最大の下振れリスクとしている。
 緊急事態宣言解除による外出自粛の緩和、国内旅行の再開で、国内旅行業者、旅館・ホテル、飲食店、観光施設などの経営改善が期待され、新型コロナウイルス感染拡大による経済活動制限は何としても避けたいところだ。
 しかし、経済活動再開の動きは、海外旅行、訪日旅行までは届いておらず、先行するヨーロッパ、アジア諸国と足並みを揃えて、出入国制限の緩和・解除、海外・訪日旅行再開、国際交流の回復に進むことが期待される。

 

※景気動向DI値の過去1年間の推移と今後1年間の予測(出所:帝国データバンク)