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2018.06.28

WING

日中間で新たな飛行経路検討、航空交通量拡大へ

航空路A593容量拡大、夜間の最低縦間隔短縮検討

 日本と中国の航空管制当局は、6月25日に開催した「第2回日中交通管制部長級会合」で、新たな飛行経路の検討を含め、日本と上海方面を結ぶ航空路A593を含め、航空交通容量の拡大・航空交通流管理などに関する協力を推進していくことで合意した。具体的に、新経路は南側から仁川FIRを迂回するルートについて、今後検討する。A593については、交通量の少ない夜間を中心に最低縦間隔15-20NMへの短縮の可能性について、検討を行っていくことで合意した。
 同会合は25日に東京で開催され、日本側から航空局の飯嶋康弘交通管制部長が、中国側から民用航空局の車進軍(シェ・ジンジュン)空中交通管理局長が、協議を行った。それにより、次の4点の合意に至り、引き続き航空交通容量の拡大に向けて、協力を推進していくこととした。
 1.「新たな飛行経路の検討および航空路A593を含む航空交通容量の拡大ならびに空域の効率的利用に関する協力の推進」
 2.「国際航空交通流管理(ATFM)の実現を含めた航空交通流管理に関する協力の推進」
 3.「東京オリンピック・パラリンピック開催期間の管制運用に関する協力の推進」
 4.「完成分野における新技術の活用に関する協力の推進」

 那覇FIRを通過する新ルート、沖縄利用に期待

 特に、新たな飛行経路の検討については、日本と上海方面を結ぶ航空路として、A593以外のルートを検討する。それは、仁川FIRを南へ迂回し、那覇FIRを通る経路で、主に沖縄方面を発着する航空機が中心に利用するルートとして想定されるもの。沖縄は近年、リゾート地としてインバウンドの人気が高く、国際線を中心に航空交通量が大幅に拡大している。新たな日中間の飛行経路を設けることで、沖縄のインバウンド需要の拡大にも応えることとなり、航空交通の利便性向上に大きく寄与することが期待される。
 航空路A593の航空交通容量の拡大については、2005年8月以来、最低縦間隔を東行き30NM、西行き20NM、東行き西行きともに約4分間隔としてきたところだが、航空機の飛行量が比較的少ない夜間に15-20NMまで短縮させる検討を進める。航空路A593は、仁川FIRを横切るルートとなっているが、日本と中国とで直接管制業務移管を行う方式のため、使用高度に制限がある。このたびの協議では、同航空路で最低縦間隔をさらに短縮させることが、技術的に難しいと判断されたものの、比較的交通量の少ない夜間ならば、15-20NMまで短縮できる可能性があるとして、今後実現に向けて検討を進めるという。
 そのほか、日本と中国との航空交通流の管理方式をすり合わせて、ATFMの実現を目指す。国際間の航空交通において、偏りのない均等な交通を実現するため、お互いに方式の理解を深めていく。
 東京オリ・パラ開催期間の協力推進については、大会開催期間には交通量が急増することが見込まれるため、効率的な管制運用について、検討を進める。東京大会の2年後には、冬季北京大会も開かれるため、それを見据えて、より効率の良い管制の方式なども含めて検討するとしている。
 管制分野の新技術活用については、日中間で新技術への取組みなどを紹介するという。日本側からは衛星航法など、技術の情報を紹介するとして、技術協力を推進する。