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2020.06.08

WING

米国、中国系航空会社の米発着便を週2往復に

空の再開巡り米中間で火花、米「中国が米系の運航権侵害」

 米運輸省は6月5日(現地時間)、中国の航空会社に対して合計で週2往復便の旅客便の米国運航を認めることを決めた。これは中国民用航空局が4日付で、米国航空会社の中国への乗り入れ禁止措置を撤回し、緩和したことへの対応。米国側としても態度を軟化して、ひとまず対立を緩和したかたちだ。
 米国と中国が、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた空の輸送の段階的再開を巡り、空中戦を繰り広げている。
 世界経済の成長を減速させた米中貿易紛争は、今年1月15日の「第1段階の合意」への署名によって、緊張ムードがやや緩んできたかに思えていたところ、今度は新型コロナウイルスの感染拡大で、米国が中国の初期対応を強く批判。さらには先月29日に米トランプ政権が、香港の貿易優遇措置を撤廃するプロセスに着手することを表明するなど、二国間関係が一気に冷え込んでいった。
 そうしたなか、中国系航空会社4社(中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空、厦門航空)が米国便の運航を継続している一方で、米国航空会社は新型コロナウイルスの感染拡大で中国発着便の運航停止しており、米運輸省側が中国に対して改善を求めていたが、中国側は国内事情を理由に米国側の要求を認めなかった。
 そこで米運輸省は中国が米国の反対を押し切って、米国航空会社の運航権を侵害し、米国の航空会社が米中民間航空輸送協定(協定)に基づく運航権を行使する公正かつ平等な機会を否定したと結論付け、対抗措置を発表。中国航空会社の米国乗り入れを禁止する措置を発表した。
 この米国側の動きに対して中国民用航空局は・・・