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2020.06.04

WING

新型コロナはLCCモデルに如何に影響するか?

ZIP西田社長、成長に自信もコスト・運賃の上昇可能性示唆

 新型コロナウイルスの感染拡大で、世界の空の路線ネットワークは一変してしまった。航空会社におけるバイオセキュリティ(防疫)対策は多重に敷かれており、客室の消毒作業を頻繁に行うことなど、航空会社には新たな負担やコストが重しとなっていることは想像に難くない。さらには、旅客需要の回復には相当の時間を要する見通しにあるほか、企業におけるウェブ会議の浸透や不要不急の出張自粛などといった風潮があるなど、航空会社にとって強い逆風が吹き荒れている。とりわけ低コスト・低運賃を掲げているLCCにおいては、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ時代におけるビジネスモデルに何らかの変化を強いられる可能性もある。
 日本航空(JAL)傘下で中長距離LCC事業をスタートするZIPAIR Tokyo(ZIPAIR)の西田真吾社長は6月3日、新型コロナウイルスの影響がLCCというビジネスモデルに与える影響について、「今回の新型コロナウイルスの影響で、世の中がどう変わっていくのかという見極めをしなければならないというところは残る」との認識を示しながら、「未だ私自身は成長余地があると思っている」として、LCC事業の成長性に自信をみせた。
 ただ、一方でウィズ・コロナ、ポスト・コロナ時代におけるバイオセキュリティ対策について、「実際に何がスタンダードになって、かつお客様の安全安心を確保するために、どのくらいのものを用意して、どのくらいの費用がかかるのかは、現時点で定まっているわけではない」と前置きした上で、「どちらかとえいば、コストがかかる方向に行くだろうとある程度覚悟はしている」として、コストが上昇する可能性を明らかにした。

 

※写真=新型コロナは低コスト・低運賃のLCCビジネスモデルに如何なる影響を与えるか。バイオセキュリティ対策でコストが上昇することは避けられそうにないが果たして。写真は6月3日に貨物専用便の運航をスタートさせたZIPAIR