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2020.06.04

WING

JAXAら11機関、ガラス化しない液体の特異構造を明らかに

液体構造でも長周期構造、新材料発見や生成法開発に期待

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と琉球大学など計11機関が参加した国際共同研究チームは、ガラス化しない液体が有する特異な構造を明らかにしたことを発表した。
 研究チームによれば、国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟に設置した静電浮遊炉と、地上の大型放射光施設「SPring8」の高エネルギーX線やシミュレーションを利用して、ガラス化しない酸化エルビウム(Er2O3)液体の原子配列と電子状態を測定することに世界で初めて成功。ガラスにならない超高温の液体の構造的な特徴の抽出に成功し、かつ液体構造は長い周期性を持たないという従来の定説を覆す発見に結びついたという。研究チームは今回の発見で、新たな材料開発や高温液体から生成される物質の成り立ちへの理解に繋がることが期待されるとしている。
 ガラスは様々なシーンに活用されている。通常、原料を加熱して液体とし、その液体を急冷することでガラスを作るが、一方でどのような物質でもガラス化するわけではない。これまで、ガラス化する液体とガラス化しない液体では、原子配列に違いがあることが指摘されてきていた。そこで違いを明らかにすれば、・・・