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2020.06.03

WING

6月一週目は航空業界の座席供給量転換点に

先週比570万席増と回復に手応え、夏の見通しは依然慎重要す

 航空会社は5月下旬以降、需要動向の様子を見ながら、手探り状態で少しずつ座席供給量を増加する傾向にあった。6月に入って未だ「不安」を抱えつつも、一方で各地で航空再開に向けた動きが加速するなど、航空会社たちは「手応え」を感じ始めている様相だ。フライトステータスなどのサービスを提供するOAGのジョン・グラント氏は、今週は570万席もの座席が新たに追加され、約26万7000便が運航される予定にあることを明らかにした。これは「先週と比較すれば、16%近い増加を表している」との見方を示した。ただ、「昨年の同じ週における申請レベルと比較すれば66%低い」ことにも触れた。
 グラント氏は「6月の第1週目は、座席供給量の面で業界の転換点になるかもしれない」と分析しながらも、「夏の見通しについては非常に慎重な姿勢を保つ必要がある」との認識を示した。
 「未だ不確実性が残り、航空輸送を利用する渡航者の信頼感がまだ回復していないなか、航空会社がコントロールできない多くの要因がある。こうした要因が、需要と最終的な座席供給量に影響を与え続けるだろう」との見通しを示した。ちなみに、英国では7月末までの2週間を対象に、これまでに計画されていた約780万席もの座席が削減されたとのこと。「週を追うごとにすべての市場でさらなる調整が行われると予想される」としている。

 

3500万席の大台突破、「ポジティブな印象」

 

※グラフ=1月20日の週以降の座席供給量の推移(提供:OAG)

※表1=上位10市場における地域別の座席供給量(提供:OAG)

※表2=上位10社における座席供給量(提供:OAG)