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2020.05.20

WING

IATA、ポスト・コロナ時代の階層的防疫対策を提唱

接触追跡調査や免疫パスポート開発など支持

 ポスト・コロナ時代の航空輸送は、大きく変わる―――。新型コロナウイルスという脅威に晒されたことで、防疫対策(バイオセキュリティー)の更なる重要性が広く周知されるようになり、これまで我々が経験した空港や機内におけるチェックイン、搭乗、あるいは機内サービスのあり方が大きく変わってくるかもしれない。国際航空運送協会(IATA)は5月19日(ジュネーブ現地時間)、新型コロナウイルスの感染拡大で、大幅に縮小してしまった航空旅客便の再開に向けたバイオセキュリティーに関する階層的なアプローチ案をまとめたことを発表した。
 このなかで出発前、飛行中、到着空港など、各段階におけるバイオセキュリティーのあり方案を提唱。政府が渡航者の健康状態を保証する、いわゆる免疫パスポートの開発を支持する姿勢を示したほか、ウイルス持ち込みによる感染拡大を防ぐための接触者追跡調査も支持するなど、ポスト・コロナ時代の航空輸送における防疫対策のあり方の姿が、みえてきた。ちなみに、機内においては旅客はフェイスカバーを、乗員もマスク着用を求めるほか、簡素化したかたちのサービスや事前にパッケージ化されたケータリングによって乗客と乗務員との接触機会を減少することやラバトリー使用の列を禁止するなど、客室内混雑を軽減することなどを推奨した。
 2001年の米国同時多発テロ後の航空業界は当初、世界共通の基準によるセキュリティーが議論されることなく、一部で厳格な保安検査体制が敷かれたことで、大いに混乱した。そのためポスト・コロナ時代に関する議論のなかでは、9.11後の混乱の教訓を生かしたバイオセキュリティーのあり方がいち早く課題に。搭乗前の検温や空港や機内におけるソーシャル・ディスタンスの確保、さらには免疫パスポートの設定などを巡り、議論が巻き起こっていた。・・・

 

※写真=IATAがポスト・コロナの防疫対策の階層的アプローチを発表した。このアプローチによれば、ポスト・コロナの航空輸送は大きく変わることも想像される。免疫パスポートなども導入されることになりそうだ