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2020.01.21

WING

航空有識者委、成田空港の滑走路増設を評価

都市間競争の生き残りに必須、地域活性化貢献も

 成田空港の3本目滑走路整備およびB滑走路延伸など増設事業の影響、費用便益、採算性などを評価する航空分野の事業評価小委員会は1月20日、第2回目の会合が国土交通省で開かれた。この小委員会で、同事業の有効性などを評価した結果、世界の空港間競争や都市間競争に生き残るため、必要な事業として評価した。
 羽田空港と併せて、首都圏空港の年間発着容量が約100万回に到達することで、首都圏空港の容量制約を解消することに寄与する。さらに国の観光政策と相まって、訪日外国人の受入れを促進するとともに、首都圏の航空需要が増大することで、乗継ぎなどで日本全国の地域活性化へ貢献することになるとした。これをもとに今後、省内で事業の答申を行う。併せて空港会社から提出された航空法の変更許可申請を認可すれば、3本目滑走路などの整備は、事業としてスタートすることになる。

 

過去の需要予測上回るペースで航空需要増大
時間値98回で夕方ピーク対応、ハブ機能にも貢献

 

 この2回目の小委員会では、1回目に実施した分析をより分かりやすく修正・追加して、事業による効果を示した。この分析では、成田と羽田からなる首都圏空港は現在、計画処理能力として年間71万回となる。2013年9月に示した需要予測から見れば、上位・中位ケースの予測では2022年度には能力を超過する見込みで、下位ケースでも2027年度には処理能力を超過することが見込まれる。さらに、当時の予測と2018年度までの実績を比較すると、訪日外国人の大幅な増加や、LCC進展による国内発着数の増加の影響で、上位ケースの予測を上回るレベルで実績が推移した。2032年度の予測では、発着数が78-94万回としていて、引き続き首都圏の航空需要は増加傾向にあることを示した。・・・

 

2055年に発着50万回予測、旅客は8779万人に
外国人旅客数は2100万人にも

 

12月時点で拡張予定地の同意書取得97%に

 

※写真=成田空港の滑走路増設などさらなる機能強化の事業が妥当だと認められた(提供:NAA)