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2019.10.23

WING

ボーイング民間航空機部門、マカリスターCEOが退任

MAX問題で引責か、BGSトップのスタン・ディール氏が後任

 ボーイングは10月22日(シカゴ現地時間)、民間航空機部門社長兼最高経営責任者(CEO)のケビン・マカリスター氏が退任したことを発表した。即日付けでスタン・ディール氏が民間航空機部門社長兼CEOに就任した。ディール氏はこれまでボーイング・グローバル・サービスの社長兼CEOを務めてきたが、737MAX問題で大揺れする民間航空機部門の立て直しを図る。一方、ボーイング・グローバル・サービス社長兼CEOには、テッド・コルバート氏が就任した。なおコルバート氏は前職でボーイングの最高情報責任者(CIO)を務めており、その後任にはビシュワ・ウダンワディカー氏がCIO代理に就任する。
 ボーイングのデニス・ミューレンバーグ社長兼CEOは今回の人事について、「我々ボーイングチームは、安全性、品質、高信頼性を備えた卓越した運航に焦点を充てており、規制当局、顧客、その他の利害関係者とのコミットメントを果たし、信頼を取り戻すことにコミットしている」とコメント。その上で、「スタン・ディールは民間航空機における広範な経験と、航空会社の顧客および業界パートナーとの信頼関係をもたらす」との認識を示し、ディール氏による民間航空機部門の新たな体制に期待を寄せた。
 その一方、退任したマカリスターCEOに対しては、「困難な時期にボーイング、その顧客、コミュニティに対する献身的で精力的なサービスと、今回の人事の引き継ぎをサポートする彼のコミットメントに感謝する」とした。
 新たに民間航空機部門を率いることになったディールCEOには数々の難題が振りかかる。最大の課題は737MAX問題だ。2件の墜落事故発生で同機のMCASに欠陥があったことが指摘されると、それを契機として様々な問題が浮き彫りに。ひいては、米国の航空機認証制度そのものを揺さぶる事態にまで発展した。ボーイングにとって、この737MAXの安全を担保した上での飛行再開することが、目下の焦点だ。ベストセラー機である737MAXの飛行再開をできるだけ早期に実現しなければ、肝心の受注活動の足元もおぼつかない状態が続いている。
 また、搭載エンジンの部品が想定以上に摩耗していたことが明らかになり、初飛行の開始が遅れている777Xの開発・受注活動を軌道に乗せなければならないという宿題もある。加えて、来年には230席~270席クラスのNMAをローンチすることができるのかということも、民間航空機部門における大きな関心事。こうした数々の難題に、ディールCEOは就任早々から応えていかなければならない。
 そのディールCEOは1986年にボーイングに入社。ディール氏はボーイング取締役会のメンバーで、民間航空機部門社長兼CEOに就任する以前には、ボーイングが第3の事業部門として2016年11月に設立したばかりのボーイング・グローバル・サービスの社長兼CEOだった。それ以前にはボーイング民間航空機部門において、サプライチェーンやサービス、さらにはアジア太平洋地域の営業を牽引するなど、数々の要職を担ってきた経歴を持つ。

 

BGSのトップにはテッド・コルバート氏
ITや情報戦略のプロフェッショナル

 

※写真=ボーイング民間航空機部門社長兼CEOに就任したスタン・ディール氏(提供:ボーイング)

Studio and environmental portraits of Ted Colbert III

※写真=ボーイング・グローバル・サービスの社長兼CEOに就任したテッド・コルバート氏(提供:ボーイング)

※写真=CIO代理兼インフォメーションテクノロジー&データアナリティクス上級副社長にはビシュワ・ウダンワディカー氏が就任(提供:ボーイング)

 

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