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2019.10.16

WING

パラマウントベッド、航空機産業進出で機内のより良い睡眠追求

ジャムコと航空機シート共同検討、睡眠やサービス向上に寄与

 医療・介護用ベッドなどを展開するパラマウントベッドが、航空機産業へと進出することを目指す。航空機用シートを開発・製造するジャムコと、より良い眠りを追求する航空機用シートの共同検討を開始した。パラマウントベッドが医療・介護用ベッドなどの分野で培ってきた技術や知見を、ジャムコと共同で航空機シートに活用することができないか模索しており、IoT技術を活用した新たな価値を生み出すことを目指す。 
 パラマウントベッドは今年3月、同社の第3の事業の柱として新ブランド「Active Sleep」を発足。この「Active Sleep」ブランドを通じてパラマウントベッドでは、一般家庭(ホーム)やビジネスなどの様々なシーンにおいて、「睡眠」と絡めた新たなソリューションや価値を創出しようと試みており、ジャムコを含めた異業種との連携を進めている。
 パラマウントベッドホールディングス企画部の横田英彦担当課長は、「長距離移動と睡眠は非常に相性が良い」とコメント。長時間のフライト中に旅客は映画や食事を楽しんだり、読書あるいは仕事をする人も存在するが、多くの時間を睡眠に充てる人も少なくない。
 そこでパラマウントベッドとジャムコは「目的地に到着した時に、よりアクティブに行動することができるようにするための製品はどのようなものがあるのか」ということをテーマに新たな航空機シートの価値創造に向けて共同検討をスタートした。
 「目的地でアクティブに過ごすためには、どのタイミングで起きた方が良いのかということをプログラム化したり、あるいは睡眠センサーで得られたデータをバックヤードで客室乗務員が確認することによって、睡眠中の人には食事を提供しない、あるいは起床時に食事や飲み物をタイミング良く提供することができるなど、サービスの向上に繋がるかもしれない」など、エアラインが新たなサービスを開発することに繋がる可能性に言及。さらには「万一の緊急時において、どこの席の人が座っていないかなど、瞬時に把握することができるようにすると考えている」と話した。
 一方、共同検討パートナーとなったジャムコによると、パラマウントベッドとの共同検討を開始したのは、「およそ半年くらい前」(ジャムコ航空機内装品・機器事業本部プロダクトイノベーション室:大栗強課長)とのこと。パラマウントベッドが「Active Sleep」ブランドを発表した直後、「これはジャムコにも使うことができることがあるのではないかということで、お話させて頂いた」ことを明かした。
パラマウントベッド、新ブランドで「眠りの自動運転」実現
 共同検討深掘りで新たな価値をモジュール販売
 様々な業界と連携で生み出す価値が航空機座席にも