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2019.09.17

WING

住友商事、次世代の取組みで航空宇宙分野を飛躍

エアモビリティ実現へ加速、新たなビジネス展開へ

 住友商事航空宇宙事業部の日下貴雄部長と、航空事業開発部の蛭田範幸部長はWINGの取材に応じ、航空宇宙分野に関わる両事業部では、すでに次世代の取組みに着手していることを明らかにした。これまで同社では、航空宇宙分野全体を促進させる取組みを行ってきたとして、今後は最先端テクノロジーの活用を一層推進する構え。その一つとして、ベル・ヘリコプターと提携し、新たにヘリコプターをポートフォリオに加えて、ビジネス展開の検討を開始したところだという。日下部長によると「その先には、エアモビリティのような将来を見越した取組みがある」ということで、通称“空飛ぶクルマ”の実現を加速化させることが狙いだ。
 また、もう1つ力を入れているのは、昨年度から継続する民間航空機のアフターマーケット事業だ。今後の航空需要の成長を考えれば、既存航空機は15年、20年先まで活躍する。住友商事としては、航空機の退役フェーズまでフォローできる体制を確立して、年々増加する航空需要に対応していく考え。さらに航空宇宙ビジネス全体として「もっと将来の話をすれば、宇宙空間の利用についてどんな事業ができるのか、議論を始めたところ」とのこと。従来なかった新しい技術にビジネスチャンスを見出して、航空宇宙分野を新たなステージへ押し上げる。
 日下部長によると、航空宇宙業界は現在、目の前に技術的な飛躍が迫っている状況だという。製造業では3Dプリンターによるアディティブ・マニュファクチャリング。航空機自体も電気化の研究が進められているところ。住友商事では全社施策として、将来を見据えたイノベーティブ投資を行っていく方針。
 さらに安全保障分野に注目すれば、その多くが最先端のテクノロジーだ。GPSやインターネットなど、元の技術発祥は安全保障だ。「そういった技術を民間へ転用していくことで、世の中が今に至っている。同じようなパターンがほかにも存在するのでは」という。例えば車の自動運転技術がそれだ。自動運転はセンサーで機体情報を拾う。それを集約させてコンピューターが操作する。これこそ戦闘機などの技術そのもの。そうした車の自動運転技術は、改めて空飛ぶクルマにつながっていくというのだ。

 

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