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2019.08.21

WING

台湾向け新型F-16のFMS承認を正式発表

F-16C/Dブロック70を66機とAPG-83レーダーなど一式

 米国務省は8月20日(米国東部時間)、台湾(正式には台北経済・文化代表事務所:TECRO)向けの66機のF-16C/Dブロック70戦闘機およびF110エンジン、AN/APG-83レーダーなど主要搭載機器各75台(補用9台を含む)と後方支援、教育訓練一式合わせて見積もり総額80億ドルのFMS(有償援助)の可能性を承認した。国防総省DSCA(国防安全協力庁)が20日に議会にこの要求承認を通告した。
 通常のFMS承認公表の書式と同様、「米国と契約相手地域との利益になり、地域の基本的な軍事バランスに影響をおよぼすものではない」との表現で承認理由を説明しているが、台湾と中国の軍事バランスに全く影響を及ぼさないとは言えないだろう。
 通例により、詳細な品目一覧がリリースされている。主要なものは次のとおり。
▼F-16C/Dブロック70航空機=66機
▼F110エンジン=75台(うち補用9台)
▼リンク16システム=75台(うち補用9台)
▼改良型プログラム可能表示発生器(iPDG)=75台(うち補用9台)
▼APG-83AESAレーダー=75台(うち補用9台)
▼モジュラー・ミッション・コンピューター7000AH=75台(うち補用9台)
▼LN-260組込GPS/INS=75台(うち補用9台)
▼M61バルカン20ミリ機関砲=75門(うち補用9門)
▼LAU-129多用途ランチャー=138個
▼AN/ALE-47チャフ・フレア・ディスペンサ=75台(うち補用9台)
▼ALE-50曳航式デコイまたは同等品=120個
▼APX-126先進味方識別装置=75台(うち補用9台)
▼AN/ALQ-211A(V)4防御用統合電子戦システムまたは同等品=75台(うち補用9台)
▼ARC-238無線機=150台(うち補用18台)
▼通信保全暗号装置KIV-78COMSECデバイス=73個
▼COMSEC用AN/PYQ-10単純キー解読機=10台
▼統合作戦計画システム(JMPS)=3台
▼統合ヘルメット装着照準システム(JHMCS)II(ナイトビジョン付)またはスコルピオン・ハイブリッド光学ベース慣性トラッカー=27台
▼装着キューイング・システム(ナイトビジョン付き)=70台
▼ナイトビジョン用スペア画像増強管=6個
 その他、誘導爆弾用信管4種各6個、JDAMテールセット3セット
 このほか、運用支援ソフトウエア、整備器材、教育訓練、技術支援、フェリー費用など一式を含む。

 

※写真=F-16C/Dブロック70戦闘機(提供:ロッキード・マーティン)