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2019.07.25

WING

AIRO、20年中にも空港内自動走行実用化へ

業務効率化に貢献、自動化技術海外展開も視野

 空港内地上業務の自動化に取り組む「AIRO」は7月23日に、これまで各空港で行ってきた自動運転実証試験の成果として、2020年にも実用化する見通しを発表した。ランプバスや業務利用車両について、有人での限定ルートによる部分的なスタートながら、グランドハンドリング業務における地上走行の自動化が実現することになる。さらに、この自動化技術の海外展開についても視野に入れる。国内空港で培った空港内自動運転技術が世界中の空港で活躍することが現実的なものとなった。
 これは、自動化技術に取り組むベンチャー「ZMP」が都内で行っているイベント発表で明らかとなった。AIROはZMPと丸紅が出資していて、同じく丸紅出資のグランドハンドリング会社「スイスポートジャパン(SPJ)」の業務をサポートするため、空港内業務の自動化技術を開発する。SPJが事業を展開するのは、成田、羽田、中部、関西、福岡の5空港。2020年には、開催される東京オリンピック・パラリンピック大会に合わせて、成田をはじめとするいずれかの空港で、自動化技術の実運用を段階的に開始する見込みだ。
 さらにAIROでは、実際の空港を使った無人運転かの実証実験を進める予定。2021年以降には、無人運転を安全に運用できる実運用を目指す。インフラ側へのセンサー設置によって、車両へ情報を提供して自動運転に関する情報連携を計画する。また、管制からの航空機情報を連携することで、システムが対象ルートの走行可否を判断できるようにするなど、外部環境と連携することで、物体認識精度の向上を図る考えだ。
 また海外展開については、SPJの親会社、スイスポートが事業展開する世界310地点の空港をターゲットに、自動化技術を展開したい考え。しかし海外空港は、規制など日本の空港と環境が異なる。そのため今後、人手不足に悩む空港や、自動化に意欲的な空港を中心に、空港内の自動運転化を目指すという。
 深刻化する空港地上業務の人手不足
 実証実験で好成績、繁忙時間帯など追加実証