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2019.07.25

WING

栗田工業、「きぼう」運用の水再生実証システム納入

再生率85%以上、メンテナンスフリーも実現

 栗田工業は7月24日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟で使用する「水再生技術実証システム」のフライト品を納入することを発表した。このシステムは2019年内に打ち上げ、「きぼう」日本実験棟で実証試験を開始する計画だ。
 栗田工業によると、開発したシステムの処理水量は1日0.8リットル。再生率85%以上という高レベルで水を再生することが可能。さらにイオン交換樹脂をシステム内で再生する処理方式であることから、消耗品の交換が不要で、基本的にメンテナンスも不要だという。現在、ISSで使用されている水再生システムと比較し、装置の重量・サイズは4分の1、消費電力は約2分の1を実現することができる。
 「水再生技術実証システム」はイオン交換、電気分解、電気透析の各ユニットからなる水処理装置と制御装置で構成する。その処理方式は、イオン交換によって尿に含まれるカルシウムやマグネシウム成分を除去した後、有機物を電気分解し、電気透析によりイオンを取り除くことで、尿を飲料水レベルの水質まで浄化する。電気分解は、高温高圧で行い、難分解性の有機物も完全に分解することが可能だという。