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2018.05.15

ウイングトラベル

海外旅行事業、テーマ商品強化を主軸に展開

KNT-CT、WEB販売強化でトップライン引き上げ

 KNT-CTホールディングス(HD)は5月14日都内で「海外旅行交流コンベンション」を開催した。当日はKNT-CTHDグループ各社の営業拠点と海外各国の観光局やホテル、航空会社などによる活発な情報交換が行われた。コンベンション冒頭では、KNT-CTHDの丸山隆司社長があいさつに立ち、個人旅行事業の成長に向けて先日発表した中期経営計画に盛り込んだ「WEBファースト」の考え方を軸に商品の企画・販売を強化していくとともに、海外旅行では、高いテーマ性や安心・安全を実現する商品構成を中心としていく方針を改めて出席者に説明した。
 また、冒頭挨拶後に本紙などとの取材に応じた丸山社長は、個人旅行事業の強化に向け、個人旅行部門にとどまらず、全社一体となって会員組織の拡大やウェブ旅行商品の拡販を実現する体制を構築していくことを明らかにした。また、若手社員を中心に人事交流をより活発にしていき、社員の多能工化に向けた取り組みに力を入れていく考えを示した。
 丸山社長は「昨年の社長就任以来、社内でいろいろと議論してきた。そうしたなか、今後の成長を見据えた上で、ここ10年間に大きく落ち込んでしまった個人旅行事業を立て直さないかぎりKNT-CTHD全体のトップラインが上がらない」と強調。2020年度を最終年度とした中期経営計画の目標達成に向けては個人旅行事業の強化が大きなポイントとなる考えを示した。
 その上で「これからは、従来のパンフレット型商品の取扱をなるべく下がらないよう維持しつつ、ウェブ販売を増やしていくことでトップラインを上げたい。そのためには、企画・造成がこれまで以上に重要となる」と訴えた。
 その上で同社が展開するWEB販売型の個人旅行商品について丸山社長は「価格訴求型の商品やダイナミックパッケージ(DP)のようなOTAが得意とする商品も取り扱うが、ここを主戦場とは考えていない。クラブツーリズムが得意としているテーマ性の高い商品の磨き上げなど旅の経験、価値を生み出していく商品や安全・安心に関する要素をさらに高めた企画などを提供していくことができる商品を展開していきたい」と述べ、コンベンションの参加者に対して「(それぞれの国や地域などで)こんな経験ができる。おいしい料理を味わえるといった情報をたくさん教えてもらえるとうれしい」と訴えた。

 

 恒例の海外旅行交流コンベンションを開催
 パートナーと販売ターゲットを共有、商品力向上へ

 また、同社の河野淳海外旅行部長は、海外旅行事業のトップライン引き上げに向けて、政府観光局やホテル、航空会社といった各ビジネスパートナーとともにそれぞれの市場で攻めるべきターゲットの共有や教育や着地型ビジネスのスピーディーな展開を実現させるために、今回のワークショップを機に関係構築をはかり、より深く、継続してコミュニケーションを図っていくことで、売上の拡大につながるオリジナル旅行商品造成の実現を図っていきたいとした。
 今後、海外旅行商品の企画・造成に関しては従来のパンフレット主導で展開する仕組みを改めて、WEBで商品を先出しして、それから店舗で販売していく流れに転換していく方針。これにより、商品の企画から販売までのリードタイムを大幅に短縮していくことで、タイムリーな商品提供に結びつけていく方針だ。

 

 会員組織拡大、全社一丸でリピーター獲得へ
 若手社員の人事交流推進で多能工化実現

 丸山社長は個人旅行事業の強化に向けては、全社一体となったWEB販売体制の構築と会員組織の強化による顧客基盤の強化が重要であると指摘する。WEB販売や会員獲得に向けた取り組みについては、これまでは一部の部門が限定的に取り組んでいるケースが大半だったという。
 そうしたことから「今後は、商品販売や会員獲得した従業員の情報を紐付けできるような仕組みを採り入れていき、販売への意識が高まるような取り組みを展開していきたい」という考えを示した。
 また、会員獲得に向けては個人旅行部門だけでなく、団体旅行部門にもセールスに取り組んでもらい、「さまざまな切り口でKNT-CTのファンになってもらい、リピーターの獲得などにつなげていきたい」とした。
 さらに個人旅行商品の販売強化に向けては「積極的な人事交流が必要だと思っている」と丸山社長は話す。特に若手社員については「さまざまな経験を積ませることが重要であると考えている。
特に若手の社員は、社内の様々な部門を経験させることで、広い視野を持った人材育成に結びつけていく方針を示した。

 

※写真=海外旅行交流コンベンション会場の模様

 

※写真=海外旅行交流コンベンションであいさつするKNT-CTホールディングスの丸山隆司社長