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2019.06.12

WING

経産省、搭載装備品連携拡大で仏と覚書締結へ

「日サフランワークショップ」開催など連携拡大狙う

 経済産業省と仏民間航空総局(DGCA)が、アビオニクスやエンジン部品などといった搭載装備品の日仏間の取引拡大に向けて、覚書を締結する方針を固めた。この覚書ではフランスのサフラン・グループと日本企業などとの連携拡大を図ることを主眼とする。経済産業省としてはこれまでエアバスとの連携強化に向けて開催してきた「日エアバスワークショップ」のサフラン版を開催することなどを視野に入れている様相だ。これによりサフラン側に日本の航空機産業のプレイヤーや新規に参入を目指す企業を把握してもらうなどの狙いがあり、日本としては長らく懸案だった装備品産業の育成を図ることを目指す。なお、覚書の締結は来る6月17日のパリ航空ショーで締結する予定だ。
 日本の航空機産業は長らくボーイング機の構造部位の開発・製造が中心となっていた。二大航空機メーカーの一角であるエアバスとの関係はボーイングのそれと比して希薄で、まさに”ボーイング一本足打法”ともいえる産業構造となっており、例えば787ドリームライナーの開発遅延が発生して、その生産が落ち込むと、国内航空機産業全体が大きな打撃を受けることになった。
 さらに日本は世界トップクラスのGDPや自動車産業、昨今では低迷してきたとはいえ白物家電、コンピュータ産業などの分野で高い技術力を有している。そうした状況に比して、国内の航空機産業では住友精密工業、ジャムコ、ナブテスコ、豊田紡織などといったTier1が育ってきたとはいえ、まだまだ極小さな規模に留まっている。

 

※写真=サフラングループとの連携強化へと経済産業省が動いた。主にアビオニクスなどの搭載装備品やエンジンなどで連携を深める(提供:サフラン)